番外20話『アッパーヤードに触れてみて』
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臨界点に達したナミが逃げることをハントへと提案するものの、ハントは動かずに先ほどの光によってえぐれた大地を見つめている。
「ハント!」
動こうとしないハントに業を煮やしたナミが彼に近づこうとして「――待て、女」
新たな声に、ナミがびくりとその動きをとめた。おそるおそるそちらを振り向いたナミと同様に、ハントもまた声をした方向へと顔を向ける。ナミと違って驚いた様子を見せないのは気配を察知していたからだろうか。
「貴様ら……青海人か」
「青海人?」
「空の騎士って人が言ってたでしょ、私たちのこと」
「あ、そっか」
サングラスをした坊主頭の男の問いかけに、こそこそと二人で話す。まるで話を聞いていないかのような態度だが、坊主頭の男は坊主頭の男で近くにいた他の3人の男たちと言葉を交わしており、、それを気にする様子はない。
「青海人の不法入国者8人とはこいつらのことか」
「だろうな」
「ほほう! こんなところにその内の2人がいるようだが」
順に背の高い腕を組んだ男、まるで飛行機に乗るかのような恰好をしてゴーグルをしている男、丸い男の3人が言葉を漏らす。そんな彼らへと、あくまでもウェイバーから降りることなく、ハントの背中に隠れるような位置に移動したナミが「あ、あの」と声をかけた。
「不法入国者って私たちのこと……ですか?」
「なんで敬語?」というハントの小さな言葉にナミもまた小さな声で「うるさい!」と小さく叱り飛ばす。
「アマゾンばあさんから送られてきた写真には確かに貴様らが映っていたぞ」
「そ、そんな!」
「どうせこいつらももうすぐ神の試練を受けることになる……今のうちに俺が仕留めてやろう」
「待て、どうせそうなるとわかっていてもまだ神の試練にまで至っていない以上、俺たちが勝手に仕留めてよいものではない」
勝手に進んでいく会話に、未だにハントは状況を掴めていないらしく不思議そうに首を傾げている。横にいるナミはそれを感じ取っているものの今はそれに反応している余裕はない。
「じゃ、じゃあ私たちはこれで!」
そう言ってハントを手招きして、ソソクサとその場を去ろうとウェイバーのアクセルを踏みこ――
「――待てと言ったろ、女」
「……な、なにか?」
坊主頭の男の呼び止める声に、まるで機械がさび付いたかのような動きで動きを止めたナミだったが、どうやら坊主頭が用があるのはナミではなくハント。
「女には用はないが、俺がお前らを呼び止めた理由は一つ。ここは神の住む土地……アッパーヤード。許可ないものが立ち入ることは許されぬ」
そう、既にその足を大地へと踏み入れているハント。
「……!」
「……?」
坊主頭の言葉に、ナミが顔を青くさせてハントは首を傾
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