番外20話『アッパーヤードに触れてみて』
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いう宣告なんだか、わからないような言葉にウソップが突っ込みを入れてそれを聞いていたハントとチョッパーがやはり無理だと肩を落とす。
と。
「おーい!」
ふと雲の海から聞こえてきた声に呼ばれてそちらを見やる。
「乗っとる!?」
目が飛び出さんばかりの勢いで吐き出されたウソップの言葉通り、ナミが自在にウェイバーを操る姿がそこにはあった。
「何と、すごいですね! 信じられません!」
「んナミさん! 君がサイコー!
「何で乗れるんだ、あんなのに!」
順にパガヤ、サンジ、ルフィの言葉。目を丸くする全員の横で、小さな声をもってハントがルフィへと問いかける。
「やっぱ難しかったのか?」
「あぁ、めちゃくちゃ揺れてあんなの普通は乗ってられねぇぞ!」
「へー、さすがナミってことなんだな、じゃあ」
ルフィやパガヤの言葉を聞いて自分なら乗れるという想像はできなかったらしいハントが素直に頷き、感心した様子でウェイバーを乗りこなすナミへと視線を送る。
「おいナミ! おっさん家にすぐ行くからはやく降りろ! あーほー! あ〜ほ〜!」
「あたんな!」
「ナミにアホ言うな!」
まるで子供のようにナミに嫉妬するルフィへとサンジの蹴りとハントのげんこつがルフィの頭部へと降り注ぐ……もちろんゴムの彼にはそれが効くわけではないが。
ルフィの言葉を聞いたナミだが余程ウェイバーに乗るのが楽しいらしい。
「先行ってて! おじさん! もう少し遊んでていい!?」
「ええ、どうぞ気を付けてください!」
ナミにしては珍しく一人になることすら厭わずにまたウェイバーを操船することへと集中を始めた。
「なんであいつ、あんなスイスイ……ものすごい揺れるんだぞアレ」
やはりどこか未練たらしくナミのウェイバーを操るサマを見つめるルフィと、それを横で眺めているハント。
「……」
黙って見つめていたハントだがフと何かを思いついらしく、珍しく意地の悪そうな笑顔に。
「なぁ、ルフィ俺も後で行くよ、悪いけど先行っといてくれ」
「ん? いいけど……なんかすんのか?」
「まぁまぁ、ほら。サンジがきっと空島特有の料理作ってくれるぞ?」
「お、そうだな! んまそーだなそれ!」
ルフィとしても別にハントがここに残ること自体は大して興味を惹かれることではない。ハントの言葉を想像して涎を垂らしながらパガヤたちの後へと慌てて走り出した。
「……さて、と」
ルフィの後ろ姿を見つめたハントがどこか彼らしくない笑顔を浮かべたまま、軽い準備運動を始めたのだった。
「夢みたい! 風向きも気にせずにこんなに自在に走れる船があるなんて! 普通の海でも使えるのかしら!」
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