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俺の名はシャルル・フェニックス
尾行と不死鳥
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んだよな。

黒歌の使い魔が盗聴した結果、待ち合わせは午前10時に駒王学園の近くにあるデパート。

そして現在9時48分。

ここに来たのは約7時頃。

俺と理子も目立つから外にいられないため誠菜を見張れる喫茶店に入ったのも同じ頃。

これには流石の俺も呆れた。

鼻の下伸ばしながら通りかかった眼鏡ッ娘の数を数え始めたときには尊敬した。

ここまで変態になれるのかと。

「まぁ、一誠だからで済ませられるのが一誠クオリティーだな」

そう俺は呆れながら言った。

理子も呆れた顔をしつつもまるで蛮勇誇る者でも見るかのような尊敬も混じってんだけど違うみたいな不思議な顔をした。

「へんひょいはもういいや。
そーいえばせーちゃんも1時間くらいまえに待ち合わせ場所に来てるみたいだね」

と、スマホを確認して俺に伝えてきた。

二人の監視報告みたいなのをlineでやりとりしてるからな。

千冬からの誠菜の報告だろう。

ってか、露骨に話を変えてきたな。

まぁ、俺もその話にのるけれど。

「まぁ、それが誠菜らしいんだけどな」

そう。それが誠菜らしい。

善くも悪くも優しすぎるのだ。誠菜は。

だっていじめようとしてた相手をも心配する奴なのだから。

「眩しく思えるよ。
それに……羨ましい」

復讐を誓ってる理子からしてみればそうだろうよ。

俺からしても羨ましいと思えるのだから。

だからこそ。




「裏側に来させるのが惜しいな」

ポツリと俺は呟いた。

理子も同意してるのか、何も言わない。

誠菜が俺達側を知るのは避けられない。

堕天使に目をつけられてしまったから。

そしてもし原作通りいくのなら駒王町、いや一誠の回りで争乱が起きるのは必然であるから。

必ず巻き込まれるだろう。

その時俺達が見てる無垢な少女は何を思い、何をするのか。

分からない。分からないがなるべく手はさしのべよう。

それが俺にできることだからな。
「シャーくん、相手来たみたいだよ」

理子に言われ、一誠のいる方を見てみると堕天使ロリがちょうど来たところだった。

待った?

いや、今来たところだから。

なんてテンプレやってんだろーな。

一誠憧れてたらしいし。

「ん、じゃあ尾行すっか」

「らじゃー」

会計を済ませ、ゆっくりと後を追う。

この格好じゃ、どうしても目立つからそれなりに離れてるけどな。




尾行を続けてくと苛立ちがつのっていった。

別に羨ましいとかではない。

理子や恋や白音の方が可愛いからな。

では、何故苛立つのか。

笑うんだよ。あの堕天使は。
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