第4部 誓約の水精霊
第6章 アンドバリの指輪
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ているので、おそらくは何かあったのだろう。
キュルケとタバサはウルキオラの目の前で立ち止まった。
「お、思い出したわ!」
「何がだ?」
「ウェールズ皇太子だったのよ!」
ウルキオラが目を細めた。
「どういう意味だ」
キュルケはルイズとウルキオラに説明した。
ラグドリアン湖に向かう途中、馬に乗った一行とすれ違ったこと。
その時見た顔になにやら見覚えがあったこと。
「でも、今思いだしたわ!あれはウェールズ皇太子よ!敗戦で死んだって公布があったけど、生きていたのね!」
「バカが…あいつは死んだ。俺はそれを確認した」
キュルケはウェールズが死ぬところを見ていないので、その死が実感できなかった。
なので、とぼけた声でウルキオラに尋ねた。
「あら?そうなの?じゃあ、私が見たものって……」
瞬間、ウルキオラの中で何かが結びついた。
それはルイズも同じらしい。
二人は顔を見合わせた。
水の精霊が言っていた言葉……。
アンドバリの指輪を盗んだ一行の中に、クロムウェルと呼ばれる男がいたこと。
「アンドバリの指輪…まさか…」
「ねえ、キュルケ、その一行はどっちに向かって行ったの?」
ルイズが息せき切って尋ねる。
ルイズの剣幕に押されながら、キュルケは答えた。
「私たちとすれ違いだから、そうね、首都トリスタニアの方角よ」
ルイズは駆けだした。
「待て」
ウルキオラがそれを制した。
「姫様が危ないのよ!」
ルイズはウルキオラを睨んだ。
「少しは冷静になれ。昨晩すれ違ったというのなら、既にトリスタニアにはいないだろう」
ルイズははっとした顔つきになった。
「じゃ、じゃあどうすれば……」
「方法はある」
ウルキオラの言葉にルイズは驚いた。
「な、何!」
「魔力で見つける」
「どういうこと?」
キュルケがとぼけた声で尋ねた。
ウルキオラは目を閉じた。
すると、ウルキオラの周りに無数の白い布が現れた。
霊絡である。
突如として現れた白い布に、三人は驚愕した。
しばらくすると、ウルキオラはある一枚の霊絡を掴んだ。
「わかった」
「な、何が!」
キュルケはウルキオラに詰め寄った。
「アンリエッタの居場所だ」
「ど、どこなの!」
ルイズもウルキオラに詰め寄る。
いつの間にか、無数に浮かんでいた白い布は姿を消していた。
「ラ・ロシェールに向かう途中の街道だ」
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