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ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第4部 誓約の水精霊
第6章 アンドバリの指輪
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れた。ならば信用してよいことと思う」

ウルキオラは黙って水の精霊の言葉を待った。

「数えるほども愚かしいほど月が交差する時の間、我が守りし秘宝を、お前たちの同胞が盗んだのだ。我はそれを取り返す。」

「秘宝?」

ギーシュが尋ねた。

「そうだ。我が暮らすもっとも濃き水の底から、その秘宝が盗まれたのは、月が三十回ほど交差する前の晩のこと」

おおよそ二年前ね、とモンモランシーが呟く。

「なるほど、水かさを増やせば、いずれその秘宝にたどり着くということか」

「そうだ」

なんとも気の長い話である。

水の精霊は秘宝とやらを取り返すためにハルケギニアを水没させるつもりらしい。

こんなペースでは、何千年かかるかわからない。

「気の長いことだな」

「我は人間とは時に対する概念が違う。それはお前もそうであろう?」

「そうだな」

どうやら、水の精霊は普通にしていれば、死ぬことはないらしい。

俺とよく似ている。

「わかった。なら俺がその秘宝を取り返そう。なんという秘宝だ?」

「『アンドバリの指輪』。我が共に、時を過ごした指輪」

「なんか聞いたことあるわ」

モンモランシーが呟く。

「水系統の伝説のマジックアイテム。確か、偽りの生命を死者に与えるという……」

「そのとおり。誰が作ったものかわからんが、単なる者よ、お前の仲間かもしれぬ。ただ、お前たちがこの地にやってきたときには、すでに存在した。死は我にはない概念故、理解できぬが、死を免れぬお前たちにはなるほど命を与える力は魅力と思えるかもしれぬ。しかしながら、アンドバリの指輪がもたらすのは偽りの命。旧き水の力に過ぎぬ。所詮益にはならぬ」

「誰が盗った?」

「個体の一人は、『クロムウェル』と呼ばれていた」

キュルケがぽつんと呟いた。

「聞き間違えじゃなければ、アルビオンの新皇帝の名前ね」

ウルキオラはモンモランシーに振り向いた。

「偽りの命とやらを与えられたら、どうなる?」

「指輪を使ったものに従うようになるわ」

「とんでもない指輪ね」

キュルケが呟く。

ウルキオラは水の精霊に向かって言った。

「指輪は取り返す。その代わり、水かさを増やすのを止めろ」

水の精霊はふるふると震えた。

「わかった。お前を信用しよう。指輪が戻るのなら、水を増やす必要もない」

「期限は?」

「いつでもよい」

「そうか」

すると、水の精霊はごぽごぽと水の中へと沈んでいった。

「頼んだぞ。人ならざる者よ」

そう言い残して、水の精霊は姿を消した。




アンリエッタは裸に近い格好でベッドに横たわっていた。

身に着
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