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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 06 「いざ、遊園地へ」
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ら」
「ユーリは別に太ってもいいというか、太ったほうがいいと思うな。華奢というか線が細いし」

 太ったほうがいいという言い方はともかく、確かにユーリはもう少し肉を付けた方がいいかも。手足とか同年代よりも細い気がするし。

「これでもちゃんと食べてます……」

 ユーリは返事をしながら視線をレヴィからこちらのほうに向いた。一瞬自分に向けられたのかと思ったが、冷静に観察してみると私の奥のほうを見ているのが分かる。どうやらショウくんを見ているようだ。

「……太ったとか言われたくないです」

 声にもならない声だったのでよく分からなかったが、話の流れから予想するに体重に関することだろう。
 ショウくんを見たのは……あれかな、ショウくんには太ったとか言われたくないとかかな。私だってレヴィやフェイトちゃん達から言われるのと、ショウくんから言われるのとじゃ心へのダメージが違ってくるし。
 それにユーリからすれば、ショウくんはお兄ちゃんのような存在だろう。彼に甘える姿はこれまでに何度か見ているし……ここ最近は見ていないような気がするけど、まあ私はメールでやりとりはしていても直接会っているわけじゃない。私の知らないところで仲良くやっているのだろう。

「どったのユーリ?」
「何でもないです」
「何でもないって、何か機嫌悪いじゃん」
「別に悪くないです。ただレヴィの能天気さや体質が羨ましく思っただけです」
「え、そうかな〜」

 いやレヴィ、ユーリは別に褒めてないと思うよ。
 なんて内心でツッコんだ直後、今度は先ほどとは反対側に体が追いやられる。先ほどユーリを潰してしまっただけに倒れるのは躊躇われ、全身に力を入れて必死に堪えた。
 一方ユーリは、突然のことに対応できなかったようでレヴィに胸に飛び込むような形で倒れこんだ。レヴィは「……っと」と声を上げたものの、大して苦には感じていないように見える。ユーリが小柄であることに加え、レヴィの豊満な胸が関係している気がした。

「大丈夫?」
「あ、はい、すみません……やっぱり大きいです。やわらかいです」
「ん、何か言った?」
「何でもありません。気にしないでください」

 何やらユーリの顔が赤い気がするが……まあ気にしないでおこう。いや、正確には気にしていられない。気にしていられたならどれだけ助かったことか。
 ど……どうしよう。
 肩くらいから聞こえる安らかな寝息。顔を正面に向けてはいるが、視界には黒い髪の毛が映っている。現状を説明すると……しなくても分かる人は分かるだろうけど、ショウくんが私に寄りかかっているのだ。先ほどのカーブが原因なのであって、彼が意図的にしたのではない。意図的だったら多分私は奇声を上げるか、飛び跳ねるかしていたことだろう。

「うぅん……」
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