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異なる物語との休日〜クロスクエスト〜
休日のF
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 呆れてため息をつくコハクに、セモンは弁明の余地なき事実を告げるのみであった。



 ***



「じゃぁな。次に会ったときは全力で戦おうぜ!!」
「もう、ライト君ったら戦いの事しか考えてないんだから」

 雷斗とサナが旅館を後にする。嵐のような少年だった。きっと彼は彼で、世界を救う楔をなったのだろうと思うと、あの人を小ばかにしたような性格もほほえましく思えてくるのだから不思議だ。

「今回は突込み役だったけどな。今度は俺も暴れさせてもらうぜ」
「また会いましょ」

 来人とミザールが、『狩人と黒の剣士』の世界へ戻る。年長者だった彼らには本当に世話になった。時間軸が違うので、もしかしたら次に会った時にはセモンの方が年上になっているかもしれないが――――それでも頼りになることに代わりはないだろう。

「楽しかったぜ! 今度はおれ達の世界にも来てくれよな」
「その時は、よろしく」

 理央と詩乃が、自らの世界へと戻るべく、旅館を出た。重い罪を背負った二人は、これからもその罪を分かち合い、いつか過去へと霧散させるのだろう。彼らならできると、不思議と感じることができた。

「楽しかったよ。生きててよかった、と思えるほどにはな」
「じゃぁね! 今度はみんなで遊ぼうね〜!」

 ゼツとリナが、己の世界へと帰っていく。《紅蓮の帝》とその妃の幸せは、まだ始まったばかりだ。終わりではなく始まりが、彼らにはまだ待っている。

「あばよ。また会おう」
「もうっ、アツヤったら無愛想なんだから。じゃぁね、皆。また会おうね!」

 アツヤとヒメカが旅館を出る。まだ再出発したばかりの彼らの物語は、いずれあるべき決着へとたどり着くまで、加速し続けるだろう。彼らの未来が、栄光に彩られたものであることを祈る。

「今回は最高に楽しかった! 次はきっともっと楽しい! また会おうぜ!」
「落ち着きなさい、イオ……」

 メテオとアステが『星崩しの剣士』の世界へと戻っていく。星降る夜に誓った彼らは、これからも己と、その愛する者に報うべく生き続けていくのだろう。背負ったすべては、二人で分け合えるのだから。

「それじゃぁ皆。願わくば、皆の世界と再び逢い見えん事を」
「皆さん、さようなら〜!」

 ハリンとオウカが、己の生まれた世界へと帰還した。宿命を背負った《神殺し》と、彼を支える少女が、くじけることなどあり得ない。いつまでもその慈悲の心で、彼らの世界を癒していくに違いない。

「……次は、いつ会えるだろうかは分からない。けど、命が……心がある限り、俺はきっと忘れないと思うよ」
「私の(フラクトライト)に、あなた達の事は焼きつきました。あなた達の(フラクトライト)に、私達の事が宿ったことを祈ります」

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