三十二話:愛おしいこの幸せ
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てそれぞれの感想を述べる小猫達、アーシア以外が若干、引きぎみなのは気にしない。やっぱり、アーシアは天使だな。
それにしても良い仕事をしたな俺。
爽やかな汗を流しながら飲む、仕事終わりのこの一杯が堪らない!
ん、何を飲んでいるのかって。キンキンに冷やしたトマトジュースですけど何か?
マイボトルに入れて毎日持ち歩いていますけど何か?
「まあ……考えても無駄よね。ルドガーの行動に一々ツッコンでいたら身が持たないもの。
さっ、掃除も終わったしプールで遊ぶわよ!」
「「「「オオー!」」」」
「え? 俺は聞いてないぞ」
衝撃の事実に驚いて、空気も読まずにテンションを上げるかのように叫ぶみんなにそう言う。するとみんなの憐みの視線が俺に集中し、その次に非難がましい視線が部長に集中する。それに対して、部長は明らかに『しまった』といった感じの顔になり気まずそうに俺から顔を背ける。それを俺は恨みを込めたジト目で見続ける。そしてついに俺の視線に耐えきれなくなったのか部長が口を開く。
「サ、サプライズよ!」
「無理しなくてもいいですよ。慣れていますから」
かなり無理のある発言でごまかそうとした部長に対して、俺はそう言ってしゃがみ込んで体操座りをする。みんなが俺に伝えるのを忘れていても泣かないし……。ルドガーは強い子だから泣かないんですー。だからみんなの可哀想な物を見るような目なんて少しも気にならないんですー。
……ごめん、やっぱり泣いてもいいか?
「ルドガー、どうしたのにゃ!?」
後ろから抱きつかれて背中に柔らかい感触を感じる。黒歌来た! これで俺はまだ戦える!
これでかつる! そう思って後ろを振り返って愛しい人の顔を見る。
「今から折角みんなで、プールで遊ぶのにどうしてそんなにテンションが下がっているのにゃ?」
黒歌…お前もかっ!? 何なんだ、何なんだ、この虐め! みんなどうして俺には伝えてくれなかったんだ。伝え忘れるにしても、もう少し何か臭わせるような発言をしてくれよ。
伝えられる情報がいつも最小限過ぎて分かり辛いんだよ! しかも今回はゼノヴィアに聞いたから大丈夫だと思っていた所にまだ情報が隠されていたという二段構えの罠だ。ゼノヴィアはどうして最後まで伝えてくれなかったんだ。
どうして俺に対する伝達はいつも適当なんだ。あれか、役所みたいにたらい回しにしていった結果伝えることすらなくなるパターンか? それに黒歌だって一緒に住んでいるんだからもう少し、
言ってくれたっていいじゃないか。今日だって普通に見送られてきたから全然気づかなかったぞ。
そう思ってちょっぴり涙目で黒歌を見上げる。
「……何だか分からないけど、取りあえずごめんにゃ。それとルド
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