問題児たちのギフト
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「つまり貴方のゲームに勝てば私達のコミュニティは東側で最強になるわよね」
「……うん」
三人は剥き出しの闘争心を視線に込めて白夜叉を見る。ただ一人を除いて。
「あれ?荒谷はやらねぇのか?」
「そうだな。確かにやりたい気持ちはあるが、今の俺達じゃ白夜叉には勝てない。さっき肌で感じたからわかるんだ」
「へぇ?俺が負けると?」
十六夜は少しイラっとした表情で俺を睨んできた。だが俺もその瞳に臆することなく言葉を返した。
「あぁ。十六夜の力を知ってるわけじゃないが、いくら十六夜でも負けると思うぜ。まぁそれでもやるんだったら止めないけどな」
「荒谷さんの言うとおりですよ!!御三人様は一体何を考えているのですか!?」
慌てる黒ウサギを右手で制す白夜叉。
「よいよい黒ウサギ。私も遊び相手に窮しておるうえな」
「ノリがいいわね。そういうの好きよ」
「ふふ、そうか。じゃがしかし、一つ確認しておく事がある」
「なんだ?」
白夜叉は着物の裾から何やらカードらしきものを取り出し、壮絶な笑顔で一言、
「おんしらが望むのは“挑戦”か
もしくは“決闘”か?」
刹那、四人の視界に爆発的な変化が起きた。光に包まれ、四人が投げ出されたのは、白い雪原と凍る湖畔。そして、水平に太陽が廻る世界だった。
「……なっ……!?」
あまりの異常さに十六夜達は同時に息を呑んだ。言葉では表現できるレベルではない。まるで星一つ、いや世界を一つ創り出したかのような奇跡の顕現。唖然と立ち竦む四人に、白夜叉は言う。
「“私は白き夜の魔王”、太陽と白夜の星霊・白夜叉。箱庭にはびこる魔王の一人よ」
「ま、魔王!!」
見た目は和装ロリの少女なのだが、その見た目に思えぬ凄みに再度息を呑む四人。
「ここはどこなんだ……?」
俺がそう口に出すと、十六夜が冷や汗を感じながらも答えてくれた。
「水平に廻る太陽と……なるほどな、白夜と夜叉。多分この土地はオマエを表現してるってところか」
「如何にも。この白夜の湖畔と雪原。永遠に世界を薄明に照らす太陽こそ、私がもつゲーム盤の一つだ」
「この土地がただのゲーム盤……!?」
「しかもまだ一つだよな。一体、いくつ持ってるだよ……」
彼らは実感した。彼女はまさに、箱庭の代表ともいえるほど−ーーーー強大な“魔王”だった。
「今一度問う!おんしらが望むのは試練への挑戦か?それとも対等な決闘か?」
「……で、どうするんだ十六夜?」
「「「………………」」」
三人は即答できずにいた。白夜叉がどんなギフトを持ってるのかわ
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