第五話
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トに繋いだだけなのに俺の名前バレてるの!?
……ハァ。
もうこれでもかというほど混乱していた頭が、一周して冷静になってきた。その頭で考えてみても、やっぱりこのサイトは不気味だな。
いきなり音は出るし、声で喋りかけてくるし、名前までバレてる。何か情報を引き出すための装置なのか?でも、もしそうだとしてもあのラインちゃんのことが説明できない。急に消えるとか、どうやったのか。
そうじゃなくても、俺はこの端末に何の情報も打ち込んでないから、実名がバレたのは他の事のはず。元々バレていて、その上で本当に俺用にこの端末を渡した、とかのほうがまだ俺自身は納得できるし。
「が、それでも物騒なのは間違いない」
さっきのだって俺の推測でしかないんだから、もうひたすら物騒だ。さっさとサイトから切断して、電源も切って鞄の中に突っ込む。
これをこのまま持ってるのも怖いけど、なくしたらなくしたで怖い。それと、姉さんに見つかって聞かれても困るので、絶対に姉さんが触れないかばんの中に入れておくことにした。
ブー、ブー、ブー、ブー
「あ、電話だ」
鞄のチャックを閉めた俺は自分の青い携帯をとる。ディスプレイには、『園田ティア』の文字が。それを見た瞬間、すっごく安心した。名前を見ただけで安心できるって、俺にとってティアはどこまで大きな存在なんだと一瞬思ったが、どこまでもという回答が自分の中から返ってきた。うん、そうだよな。今みたいなよく分からないけど怖い出来事があると、ティアや亜沙先輩みたいな人に甘えたくなるなぁ。昔はよく、幼馴染か姉さんに甘えた記憶がある。思い出してみるとちょっと恥ずかしい。
「もしもし、俺だけど」
『え?えっと……お、お蕎麦屋さん?』
「はいそうです、出前は何にしましょう……って、何だこのオレオレ詐欺!?」
『ケホケホ、ふふふっ……私の勝ちですね?』
「はい、負けました」
出ると同時にボケて先手を打とうとしたら、思わぬカウンターが返ってきた。手ごわいな、ティアは。
『それに、かけられた側がオレオレ詐欺をするのってどうなんでしょう?』
「言われてみれば確かに……誰に対してかけたのかも分かるしな」
『もしかすると、その形態を持ってる人が違うのかもですけど』
「なるほど、その可能性があったか」
そして、それなら詐欺につなげることもできそうだ。しかも、電話がその持ち主のものだから、より信憑性が増す。その手間に合うだけの結果があるのかは別として。
「って、何でそんなことを考えないかんのか……」
『どうしたの?』
「いや、今他人の携帯を使ってその親戚に対してオレオレ詐欺をしかけたら成功率が上がるんじゃないかとか、でもそれにみあうだけの結果になるのかとか、考えない方がいいようなことを
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