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隕石
隕石
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[9] 最初
ぬんだろうなと思って、そうしたら急にドキドキして。ああ、当たったと思って目を瞑った瞬間、妙にざらついた感触がして、それはとても印象に残って、今でも思い出せる……というか、想像できるっていったほうがいいのかも。その後、景色がパッと開けて、見たこと無い公園で、知らない人達とかくれんぼをしていたの。」
不思議な夢の話。身体を伸ばし終えた腕は、肘をテーブルに付けていた。俺は話が気になり、オチはと言わんばかりに「それで?」と聞き返した。
「つまりね。隕石が衝突しても、私達はそれを実感すること無く、そして何もなかったかのように新しく生きていくんだと思う。別に、輪廻転生という流れが絶対にあるとは思ってないけど、何故かそんな気がする。」
「なるほどねー。そうだったらいいなぁ。人生の最後に痛みを感じるのは、嫌だからな。」
 「死ぬときは快楽物質がたくさん出てきて気持ちいいっていうのを、何かで見た気もするけどね。まあ、長く話したけど隕石は衝突しないし、世界は終わらないでしょ。」
 現野さんはPOP類をしまい、栞を作るための画用紙を取り出した。出展物にスピンを付けるのは、コストが掛かってくるから……という理由とは別に、彼女が好きだからというのもあるかもしれない。
 「間川くん、私が話をしていたせいもあるけど、手が止まってるよ。」
言われて、画用紙をみると、黒い文字で『物語研究同好会』と書かれたままだった。
 「あ、悪い。これでいいよね。サークル名わかれば。」
 「人はデザインを良く見ているからね。頑張って。」
 「……はい。」



 何もしなければ、隕石が衝突する確立は6割とされている。そして、衝突するところは、俺達が住んでいる場所が挙げられている。それまでに自分ができることは何だろう。そんなことを考えながら、目の前のことをやっていた。

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