SAO編−白百合の刃−
SAO21-黒髪の少女
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でしょ?」
「うっ、うん……」
いきなりドウセツが容赦なく図星を突いてきた。し、仕方ないじゃないか……。今日も相変わらずカップルがいたんだから、人がいなくて綺麗な場所が中々見つけられないのと……下調べなんてしてないから……大雑把でも仕方ないじゃない…………ねぇ……。
気まずくなった私はとりあえず許しを貰うことにした。
「そこは許してくれないかな?」
「場合によっては許さない」
やべっ、こりゃ失敗は許されないパターンだ。
「だ、大丈夫……多分」
「多分?」
「な、なんでもありません!」
多分失敗しないと思う……絶対……いや、多分かな。
不安と安心が交差するも、大丈夫だと言い聞かせて探索を続ける。
数分かけて、ようやく人気がいなくて景色が壮大かつ幻想的な花畑を見つけることができてそれが自分に納得できるものだと確信して、とりあえずはホッとした。
「どうこの景色! 文句ないでしょ!?」
「景色なら、ここよりもいいところたくさんあるわよ」
景色だけだとドウセツの感心させるのには足りなかった。確かに、二年間もアインクラッドで過ごしていれば、絶景とも呼ばれる光景なんて何度か見たことあるだろう。そもそも、RPGの世界を堪能することだけでも、常に素晴らしい光景を見ているような気がする。
だから、景色だけではない。
「知っているよ。景色を見せるために連れてきたんじゃないから」
「その割には場所探しはなにも考えていなかったようね」
「そ、そこはいいでしょ! 結果的に良い場所見つかったんだから」
弁解しても打ち負かされそうなので、場所に関しては何も考えていなかったことは認める。
私はただ、“これ”がしたいために雰囲気が良い場所を探したようなものだから、運が良かったと思う反面、助かったと運に感謝した。
ドウセツに向き合い、アイテム一覧から小さな朱い正方形の小物を取り出した。
「……それを見せたくてここに来たの?」
「まぁ……それもあるかな? でも見せたいのは外じゃなくて……」
朱い小さな正方形はただの小物ではなくて、リングケース。
「中身なんだよね」
そう言いながらリングケースを開ける。中身は紅色に染められたシンプルかつ赤い糸を具現化したかのような指輪。それをドウセツに見せつけた。
「…………ハァ」
ため息をつかれて呆れたかと思えば、ドウセツの表情の色には温かくて穂のかな色合いが表れていた。
「その様子だと、なんとなくでも理解した?」
「理解したくないんだけど」
「そう言わないでよ」
「女性が女性に指輪とか……普通にありえないわね」
「一応、これ結婚指輪なんだよね」
「だったら尚更ありえないわ……」
再
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