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SAO編−白百合の刃−
SAO21-黒髪の少女
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罰は、メイド服を着て何日間生活をすることだよ」
「くだらなくはないから、それだけはやめてくれ!」

 兄の表情が険しくなり、激しく抗議をしてきた。

「メイド服?」
「なんでもない、なんでもないぞ!あぁ、なんでもないからな!」
「そこまで否定しなくてもいいじゃない……」

 兄の必死な否定にアスナは苦笑いする。滅多に見られない表情するから新鮮だと思うかもしれない。
 兄が露骨に嫌がっているのは当然理由はある。今年の二月頃、ソロプレイヤー同士でアイテム配分を決める時に、罰ゲームありのジャンケン大会で決めることにした。運悪く一番負けた兄は罰ゲームとして、メイド服を着ることになってしまった。それが思いの他、周りの反響は意外と好評だった。メイド服姿の兄はなんとその日、二、三人プロポーズされたこともあった…………男性だけど。結構マジに男性から告白されたことで兄は軽くトラウマ化としてしまった。
 この話はアスナからしつこく訊かれるとは思うので、ここで教えることはしなかった。

「ごほん……キリカ、お前に話したいことがある」

 咳払いで空気を変えた兄は重大報告を口にする。
 その報告と言うものは、けしてくだらないことではないのは行く前からわかっていた。
 兄は顔を引き締め、背筋がピンッと伸ばしている。隣のアスナも同調するように、同じ状態になる。そして勇気を振り絞って、兄は一言一言噛みしめるように伝えた。

「このたび、俺とアスナは…………けっ、結婚することになった」
「…………うん」

 結婚かぁ……。いいよね、女の子が憧れる幸せだよね。ウエディングドレスとか一度でも着てみたい願望は誰にでもあるはずだ。

「……キリカちゃん」
「うん? どうしたの、アスナ?」
「キリト君……今、重大なこと言っていたけど……反応薄くない?」

 本人にとっては重大で大切なことだろうと思うし、私もそれがくだらないと思うほどバカではない。

「雰囲気的にそんなことだろうと思っていたから……予想通りだったかなって思うくらいかな」
「ま、マジで?」
「マジだよ、兄」

 兄が俺ってそんなにわかりやすかったのかと、落ち込むように呟いていたのだが、その通りである。おそらく昨日のクラディールの件で想いを伝えて結ばれたってところだろう。

「ぶっちゃけ、結婚かお付き合いの報告じゃなかったら、メイド服着かせるところだったわ」
「範囲狭くねぇか!? その二つ以外、メイド服じゃねぇか!」
「いいじゃん、アスナと結婚できたんだから。つかむしろ遅いわよ。 どうせ前からイチャイチャ、チュッチュッしていたくせに!」
「悪かったな! それと訂正するけど、イチャイチャチュッチュッしてないからな!」
「あ、そっか。兄って鈍感のくせに、キザで質が
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