SAO編−白百合の刃−
SAO21-黒髪の少女
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から確定しているであろう、内容を確実に決めるために行くのもなぁ……。めんどくさくはないが、別にいいんじゃないかと思ってしまう。
「行ってきなさい」
「えっ」
「私はお金を稼ぐために効率のいい狩り場で稼ぐから、その間に行ってきなさいよ」
「な、なんで?」
「聞こえなかった? 耳鼻科に行こうか?」
「せ、正常だって! なんでそうする必要があるの!?」
ドウセツは指を一本ずつ立てるように説明し始めた。
「一つ。お金を稼ぐ理由はこれからの休暇で何かしら使うからよ」
「今あるお金で十分じゃないの?」
「金はあっても困らないわ。念のためよ。そして二つ目は、暇つぶし」
「暇つぶしって……」
「というのは半分で、自分が今どれくらい戦えるかを確かめたいの。それを休暇の時間には使いたくないから今確かめる。そして三つ目は敢えて言わない」
「いや、言ってよ」
「どうせアスナの報告なんてたかが知れているわ。貴女から聞けばいいこと」
淡々に説明するドウセツは、内容のせいか呆れてしまう。なんだよ、半分暇つぶしって……せめて暇つぶしは嘘でもいいから嘘にしてよ。
「わかったよ……」
「あら、いいの?」
「ドウセツが確かめたいのなら、拒わないわよ」
ドウセツを助けることは、安全にさせることではない。守ることは大事だし、ドウセツを想うことも大事、傷つけさせるのも嫌だ。物だったら大事な箱にしまって大切に保管すればいいのかもしれないが、ドウセツは人だ。意志もちゃんとある。決意することだってできる。例えそれが、もしかしたら後悔してしまうような道だったとしても、全てを拒むことは私にはできない。
単に私が甘いだけかもしれないけどね……。
「その変わり無茶しちゃ駄目だよ」
「大丈夫よ。比較的安全なところで稼いで、最前線にはいかないから」
「……フラグじゃないわよね?」
「してほしい?」
「やめてくれ」
それは冗談の話だけにしてほしい。
「それじゃあ、行ってくる。一人で寂しくてまた泣いちゃわないでね」
「寂しくて泣くほど、変な泣き虫じゃないから余計な心配をしないで」
「……そっか」
それじゃあ、私は予想できている兄とアスナの重大報告を聞くためと、お祝いの言葉を
送るために向かいますかね。
●
「ちーす、エギル」
「キリ……キリ……カ?」
エギルの店に兄とアスナがいるので、真っ直ぐそこへ向かった。
どうしたの?と訊ねる。するとエギルは真面目な顔で答えた。
「おまえ……キリカだよな?」
「エギルさんは頭でも打ったの? 病院に行ったら? ついでに髪の毛もはやしたら?」
「余計なお世話だ! その口調と返し方、やっぱりお前はキリカだ」
やっぱりって言うけど、まぎれ
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