暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
ゲーム、スタート〜
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最初ならこんなバグもあるか。だが少々困った。ナーヴギアにはログアウト以外に自発的にフルダイブを解除する方法はない。つまり、家族がいない人や一人暮らしでピザの注文してた人なんかは涙目な事になるだろう。・・・その時だった。


リンゴーン リンゴーン


「・・・っ!?」

突如大きなサウンドが鳴り、思わず耳を抑える。・・・そして体に目が行ったとき、体が青色の光に包まれていた。

「なっ・・・」

一瞬景色が揺らぎ、すぐに視界が戻り、石畳が広がる広間が目に入る。

「ここ・・・“はじまりの街”?」

ログインした時に訪れたはじまりの街。そこの中央広場に俺は立っていた。

「うわ・・・」


周りには沢山の人。明らかに一万近くはいる。つまり、皆同じように転移されたのだ。周りの人はざわめき、段々と荒れた声も聞こえてくる。

「あっ・・・上を見ろ!」

不意に誰かの大声が響き、空を見ると空は真紅に染まり、英語で何かが表示されていた。

「ワー、ニン・・・グ。システム・・・アナウ、ンス」

情けない程英語が苦手な俺は苦労しながら英語を読む。・・・読み終わった瞬間、空からまるで血のように赤い液体が滴り、球体を作った後、赤のフード付きのローブを着た巨大な人影に姿を変える。・・・フードの中に顔は無く、少々不気味なそれをGM(ゲームマスター)だと思い、俺は何か言うのを待つ。


『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』

「・・・は?」


理解が追い付かず、それに答えるかのように声は響く。

『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

「・・・!?」

茅場晶彦・・・!兄の話ではこういった表舞台には上がらない人物らしいのだが・・・

『プレイヤー諸君は、既にメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気づいていると思う。しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなく、“ソードアート・オンライン”本来の仕様である』

「仕様・・・だって?」

『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的にログアウトすることはない』

城。というのは恐らくこのゲーム・・・SAOの舞台である百層からなる石と鉄で出来た・・・“アインクラッド”の事だろう。茅場はまだ言葉を繋いでいき、次の言葉に戦慄を覚えた。


「・・・また、外部の人間の手による、ナーヴギアの停止あるいは解除もあり得ない。もしそれが試みられた場合ーー』

・・・僅かな間。

『ーーーナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる』

「・・・!」

・・・茅場はつまり、無理矢理ログアウトしようとした
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