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大統領の日常
本編
第一〇話 ハワイ諸島攻防戦
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が、病気になり、汚職をしたのがばれ、トラブルを起こして1か月職務停止と、なんとまぁミラクルなことが発生し、急遽任されていたようだ。恐らく大統領がやったことだろう。道理で分艦隊司令たちがちらちらと大統領を見ていたわけだ。

それにしても敵艦隊の両翼の動きがひどい。味方の射線を塞いだせいで同士討ちが発生し、空母が前線にいたりと言葉では表せないほどめちゃくちゃになっている。そのおかげか、わが軍の被害は想定していたよりもずっと少ない。本来喜ばしいことだが、この惨状では逆に同情を禁じ得ない。これだから貴族どもは・・・

「閣下、そろそろ時間です」
「・・・あ、うむ。わかった」
時計を見ると予定の10分前になっていた。


■ゼームスト・ルーゲル


24日17時28分、それまでロンディバルト軍を押していたガルメチアス軍をひとすじの矢が貫く。


「どうした!!何が起きた!!」
「て、敵です!9時方向から敵軍急速接近!数およそ250隻!」
なんだと・・・
「ば、ばかな。敵は偵察部隊と交戦していたのではなかったのか」
「閣下、我々は敵に騙されたのです。傍受した通信は偽電だったのです!」
「くっ!左翼艦隊を新たに現れた敵に当たらせろ。中央と右翼はこのまま前方の敵を攻撃する」
「閣下!それはいけません。敵を砲撃が激しく、左翼だけでは支えきれません。それに敵前回頭などしてはかえって混乱するだけです。ここはまっすぐ6時の方向に下がるべきです!」
「黙れ!これは命令だ!左翼部隊は新たに表れた敵に当たれ!中央と右翼はこのまま前方の敵を攻撃する!」
「閣下!それでは左翼部隊の側面を敵に見せることになります!危険です!ここは後退を!」
「くっ・・・分かった。すまない、少し興奮してしまった」
「いえ、それより早くいたしませんと」
「そうだな。全艦装甲の厚い艦を外側に紡錘陣を取ってまっすぐ6時の方向に後退しろ!」

「駄目です!両翼の艦隊が混乱状態になっていて下手に動けば巻き込まれます!」
ちっ、貴族の馬鹿どもが!
「新手の敵艦隊が左翼艦隊に突入してきます!」
「左翼艦隊んの被害甚大!指揮系統が混乱していて艦隊が崩壊しています!」
敵の突入がただでさえ混乱している艦隊をさらにかき乱して崩壊させている・・・まずいな・・・
「已むを得ん、このままでは3個艦隊が何もできずに殲滅するだけだ。中央だけでも後退して戦力の温存を図る・・・」
「しかし、友軍を見捨てるわけには・・」
「だが・・・」
「左翼艦隊を突破した敵がこちらに向かってきます!」
遅かったか・・
「全艦後退しつつ迎撃!」
「敵の砲火が苛烈で戦線維持不可能!」
「くっ、敵を無理に受け止めようとせず、あえて敵に突破させろ!その後後方から砲撃するのだ!」
「前衛と
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