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101番目の舶ィ語
第六話。リサ・アヴェ・デュ・アンクと二人の子供
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内でいい?」

やたらと明るい声に導かれて、俺達はその自治会館の中に入る事にした。






2010年6月1日午後8時。 富士蔵村自治会館内。

俺達は自治会館内の和室に案内されてそこで村人達に質問されたりした。

「おい、あれが新入りらしいぜっ」

「え、どれどれ、見えないようー」

中には、小さな子供にまで物珍しそうに見られた。
村人達に囲まれてまるで見世物になった気分を感じたね。
今は落ち着いて、部屋の中にいる村人は詞乃ちゃんを入れて3人だ。
都市伝説の中でも特に恐ろしいとされている『村系』のロアに『神隠し』されたはずなんだけど……。

なんだか、やたらと平和だなぁ。

「いかにも普通っぽくて驚いたでしょ?」

俺の内心を察したのか、詞乃ちゃんは俺の顔を見て微笑みながらそう言ってきた。

「うん……正直な話、こんなに人がいるとは思わなかったよ」

『誰もいない村』みたいなイメージを勝手に持っていたからね。
だからこんなに人がいるなんて思っていなかったよ。

「まあ、無理もないでしょうなぁ」

多くの村人達が退室した後に、部屋の中に残っていたおじいさんが笑いながら頷くと、隣にいるおばちゃんもうんうん、と首を上下に動かして頷いた。

「最初はみんな戸惑ってたよね?」

「うむ。俺も騒いだもんだ」

詞乃ちゃんとおじいさんが感慨深げに話し始めた。

「うーんと、つまりどういう事なのかな?」

「単刀直入に言うとね? 今村にいる人達は、みんなこの村に迷い込んだ人達なの」

詞乃ちゃんがそう説明すると村人達はみんな頷いた。
この場での説明役は詞乃ちゃんで、他の人はサポート役みたいた役割り分担がされているみたいだ。

おじいさんは山中を散歩中に、おばちゃんは家族でバーベキューをしている最中に、気がついたらこの村に迷い込んでいたみたいだ。
何処で迷い込んだのか尋ねると、日本各地から人々が迷い込んでいるようで、途中お茶を運んで来たメイドさんは……。

「わ、わたしは都内で……ご主人様を探している最中に……」

と瞳を潤ませながらしゅんと、した表情で話した。
ごめんよ、リサ。
辛い思いさせてしまったね。
君のご主人様は実は目の前にいるんだけど……ちょっと説明しにくいからもう少し待ってくれ。
というか異世界にいたはずのリサまでこれまた異世界の村に連れて来てしまうとは……恐ろしいな『神隠し』。

「ここで皆さん、普通の生活が出来ているのですか?」

それまで黙っていた一之江が挙手をして質問をした。

「うん。川も近くに流れているし、農作物も取れるしね?」

「何故か電気は通っているみたいで助かっているんだ」

一之江の質問に詞乃
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