第3章
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ている。
此れが、今の副都知事…東条が顧問弁護する議員だ。
「そんなどす黒い二人組みに警察が近付いてみろ、マスコミが涎垂らして張り込む。で、俺も中々にどす黒さでは負けん、俺のどす黒さは本庁の幹部共に匹敵する、此処だけ見れば俺も超絶エリートだな。副総監レベルだ。」
「自慢にならないよ、課長…」
「どす黒い世界にはどす黒い脈が打ってる、案外あっさり見付かった。」
「そんなの、ゆりかに聞けば早いんじゃねぇの。」
「じゃあ聞くが御前等、今の今迄、半月以上捜査してて、名前さえ判ったか?東条まどかの戸籍調べて、此の悪名高き弁護士の名前が出たか?出なかったろ?詰まりそう云う男なんだよ、此の東条弁護士はな。」
「何者なんだよ、其奴。」
「議員相手する前はアッチ専門、だから十五年前無罪に出来た。そう云う経歴だから、戸籍上はバツイチの独身だ。当然、あの娘二人も認知して無い。ヤクザに狙われたら堪らんからな。」
「課長、良く判らない。認知してないのに何で東条の名前持ってるの?」
「木島、御前、本当に大学出てるのか?頭悪過ぎだぞ。中学校からやり直して来い。」
「加納、判る?」
「ええ、判りますよ。」
此の場で判っていないのは和臣だけであった。
「此の東条弁護士が結婚したのは、三十年前の二十九歳の時、其の二年後、三十一の時に離婚し、妻に復氏をさせず東条の名前で新しく戸籍を作らせた。其の一年半後、二人が生まれてる。こうすると、母親の名前は東条、父親も東条、認知せず自分の名前を名乗らせられる。離婚した半年後に二人を拵えて、懐妊した妻を東京に送ってる。」
「其の東条弁護士の元の拠点何処。」
「関西だ、だから東京に送った。関西の奴等は、滅多な事が無いと関東迄来ないからな。西と東で武力配分されてるんだよ。だから兵庫に組本部がある関西最大のあの組織は西に勢力伸ばして、東には枝が一個しかない。」
「あー、若しかして、東条の旦那が抱えてた組って…」
「御名答井上、関西最大勢力と頭脳を誇るサイバーエリート極道集団、由岐城 組だ。」
「うおぉ…どす黒ぇ…」
「問題なのが、十五年前の副都知事の汚職事件で絡んだ組が、此の三年前に由岐城本家に反旗翻した集団だ。対立する組の弁護しちゃったもんだから、そら窶れもするさ。此の十五年、気が気じゃなかったろうな。」
「何で?」
「そら、議員の汚職は由岐城には関係無い話だが、此の事件の後、此の組は由岐城に解体されてる。御前達は覚えてないかも知らんが、抗争が起きてるんだ。」
其れは凄まじかった、此の組本部のある地域が血の海と化し、生臭い臭いが終始していた、と課長は云う。
「事実上此の組は解散、又由岐城に吸収され、今の関東枝になってる。詰まり、東条弁護士は、未だに由岐城側からラブコール受けてるんだな。」
「父親の話は
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