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歪んだ愛
第3章
―2―
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。って、知り合いのダイクが云ってた。」
スーツのジャケットを脱がせる課長に加勢する井上、スルスルとタイを外しベルト迄外した。今後何かの強請りに使えるかも知れないと加納は電話を取り出し、其の様を動画に収めた。
「加納!」
「ふふ、面白い。」
「加納さんが選んだミニスカート履かせましょう。」
「ふざけるなよ本郷!」
秋葉原の地下アイドルにでもする気なのかと聞きたい悪意に満ちた服のチョイスに和臣は嫌悪を示し、スカートならせめてミディアムにして、と頼んだ。
「煩いな。じゃあ此れ。」
「やだ、其れやだ。」
「じゃあ、此れは?」
「やだ!」
「面倒臭いな…」
中途半端に服を剥かれた和臣は、偉そうに仁王立ちし、服を選ぶ本郷に文句垂れた。
半裸の状態で何云ってんだよ、と本郷は思うが、本郷が選ぶしかない。
井上が選んだ服は遊び慣れた風で、加納が選んだ服は矢鱈ロリータファッションだった。本郷が選んで来た服が和臣の好みに一番近く、アレやだコレやだと云われ服を選ぶ本郷の姿は甲斐甲斐しい彼氏に見える。
「此れは?」
「そうだそうだ、モード系かコンサバ系だ。」
「パンツスーツにスカーフ…、モロですよ。いや、大好きですけどね、コンサバ系。ニーハイにミニスカートにしましょう。髪はツインテールで。」
「十代女子高生のコスプレする気は無いんだけど。」
グイッとズボンを引かれ、カシャリと不吉な音がした。井上の携帯電話の画面を見る加納は、和臣の下着に目元を隠した。
「なんて物見せるのですか…、落ち様の無い視力が落ちました。失明寸前です。」
「ホモ掲示板に載せとこ。自分処女っす、優しい兄貴募集っす、的な文面で。」
「自分処女っすけど兄貴の玩具にして欲しっす、兄貴の精液でドロドロにして下さい、も入れとけ。」
便乗するのが課長である。
「遊んで無いで真面目にして下さいよ…」
和臣に靴を履かせ、バランス大丈夫ですか?等と聞き、ワイシャツを整える本郷が、一番奇妙であるのに一番信頼があった。
「木島さん細いな…、スカートの方が良いかも知れん。」
「女に見えれば何でも良い。」
「あー、そうか。如何しよう、木島さん本当細いな…、喋ると余計喉仏が動く…。首隠すか…」
エルメスのスカーフ等、女に送った事も無ければ自身の首に巻いたのも初めてだった。其の肌触り、指滑りは極上で、高級な猫を撫でて居る様。高い筈だ、と今一度触れた。
因みにスカーフは、東条まどかの私物だ。
夏樹と会った翌日、ゆりかの保護を解除すると課長が云った。夏樹に的を絞っていただけに課長の落胆加減は半端無く、一旦ゆりかを泳がせてみる、そう云った。
ゆりかが警察に監視されて居るとなるとストーカーは動かない。其れを期待して監視を解いたのだが、動いたのはストーカーでは無くゆりか本人だった。
偶々帰
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