第2章
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、支離滅裂でも無い。自分が戦争を、目の前で、あの惨事を見てるから、戦争を知らん総理大臣の憲法第九条改正が何れ程影響を持ってるか、ジジイは子供に教え様とするんだ。だけど、歴史の授業もまともに聞いちゃない子供達からして見れば、支離滅裂の耄碌ジジイにしか見えない。ビルマなんて云われ一瞬で理解出来るのなんて昭和生まれだぞ。…こんな感じ。」
「うわぁ…」
其れなら時間が掛かって当然だ。
其処で加納が一言、たった一言、突然に、「ワタクシの曽祖父は大和に乗っておりました」と云った、すると、祖父母から嫌と云う程戦時中の話を聞かされて居た菅原は、泣きそうな顔で真っ直ぐ加納を見詰め、敬礼した。橘からして見れば、ポカーン、である。和臣では、嗚呼そうなんだ、になる。
古い記憶や情報、プログラムが進化す度、時代が変わる度忘れ去られる、電子でも人間でも、起こっている。
目の当たりにした和臣は、橘に向いた。
「其の粗悪品の結果は?」
「相手は男性で、喋り方にやや特徴があります。」
パソコンを操作する橘は、電話を掛けた相手本来の声を画面に映した。
「訛り持ち?」
「いえ、訛り…では無いです。なんと云うか、変な所を強調してます。ゆりか、愛してるよ……此れなんですが、ゆり、か、“か”で一度上がります、そして、愛してるよ。区切るとしたら“愛”“して”“るよ”。此の単語で強調されるのが“い”と“る”です。電話の相手は、ゆり“か”、あ“い”して“る”よ、と云って居ます。此れは、脅迫された感じを覚える話し方です。例えば、木島さん、俺の話を聞いて下さい、と単調で云うのと、木島さん、俺の、話を、聞いて、下さい、こう単語単語で区切られ、語尾の一つ手前の言葉も強調された場合、より話を聞こうと身構えるのは何方ですか?」
「後者…」
「そうですよね、洗脳宗教教祖に多く見られる話し方をします。世界一有名な人物で云えば、A・ヒトラーです。彼は如何に言葉で人を洗脳出来るか…語弊かな、演説を通行人に足を止め、聞き入らせる事が出来るかをずっと考え、錯誤し、結果、あの独特な演説口調になりました。其れを応用させたのが、宗教教祖です。此の口調ですと、より強烈に耳と印象に残ります。逆に、語尾を強めると、相手に高圧的な印象を与えます。怒鳴っている様に脳が捉えるからです。人は怒ると無意識に、例え静かに話したとしても、一番最後の言葉が強調されます。木島さ“ん”、俺の話を聞いて下さ“い”……不愉快を覚えますよね?」
「嗚呼。」
「此の語尾の強い特徴は、警察に良く見られます。要するに、相手より“優位”な立場。逆の“洗脳口調”…」
警察の対局に位置し、言葉で人を動かす職業。
まさか…
「そう、“弁護士”です。そして、“精神的職業”を持つ。時一先生の様な精神科医や、心理カウンセラーです。時一先生の話を聞いて居る
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