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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百九十三話 三文芝居
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アル・サレム中将。
難しい表情のホーウッド中将。

このまま、沈黙続くかと思われた中、グリーンヒルが意を決してロボスに進言する。
「最早作戦の失敗は明白です。これ以上の犠牲を出さぬように撤退するべきです」
「これ以上、傷を深くするよりはイゼルローン要塞の外壁に穴を空け肝を冷やさせたことを喜とするしか無いでしょう」
グリーンヒルの言葉にルフェーブルが補足を行う。

ロボスはその言葉を苦虫を噛みつぶしたかの様な表情で聞いている。
内心ではこれ以上攻撃しても何ら戦果を与えられない可能性の方が多いことは長年の経験から判ってはいるが、このままおめおめと帰投したら、無謀な攻撃を行ったと世論からのバッシングなどで今後の栄達が望めなくなると言う恐怖心が沸き上がっていた。更に永遠のライバルで有り自分の前に立ちはだかるシドニー・シトレが高笑いする様を想像し、屈辱にはらわたが煮えくり返る状態で有った。

「閣下、ご決断を」
グリーンヒルの声が響く。
「判った、兵の収容が終わり次第、撤退する」
ロボスが顔を顰めながら絞り出すような声で決定を告げると、参加者達からホッとした表情が現れるが、ロボスからしてみれば忌々しいとしか言いようのない状態に成って居た。



宇宙暦795年 帝国暦486年2月6日19:00

1時間後に迫った停戦期間を残してイゼルローン要塞宙域での救難を終了させた同盟軍宇宙艦隊は、まもなく終わる帰投準備を今や遅しと待っていた。今回も負けだが命だけは助かったと将兵が安堵している。

20:00に成り停戦期間が終わると同盟軍はイゼルローン要塞と要塞後方に待機している宇宙艦隊に最大限の注意をしながら帰路に着こうとしていた。そんな中、突然イゼルローン要塞のトールハンマー付近の流体金属が盛りあがり大爆発が発生した。その光景は凄まじい程に明るく目を閉じる程であった。

混乱する同盟側では帝国側の各種電波を監視していた部署から緊急連絡が入電した。
『大変です。味方陸戦隊の決死隊が要塞のトールハンマーに辿り着き、爆破した模様です!』興奮しながら報告してくる防諜班員。

その報告に色めきだし騒ぎ始める参謀達、更に続報が次ぎ次ぎに入り始める。ロボスがスピーカーに流すように命じうる。スピーカーから流れる音声は、イゼルローン要塞はよほど混乱しているのか、全てが平文で命令だけでなく悲鳴や怒号が流れてくる。
『トールハンマー発射不能です!』
『馬鹿な、守備隊は何をしていたのか!』
『動力炉にだけは敵を近づけるな!』

『オフレッサー閣下がトールハンマーの爆発に巻き込まれ戦死しました!』
『馬鹿な、そんなはずはない!』
『24ブロックで中隊長殿が!』

『殿下は脱出したか!』


『殿下は未だです!』

『外には
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