暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第一章 土くれのフーケ
魔剣 デルフリンガー
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乗ったことないケド・・・)」
「ん?何か言った?」
「いや何でも。」
というやり取りをしているのはキュルケの愛しのダーリンことカケルとその主人の憎きルイズであった。二人は何か言い合っていたみたいだが、やがてそれぞれ馬を操り学院の外へ出ていった。
それを見ていたキュルケはうぎぎと歯ぎしりしていた。
「あのルイズ!私を差し置いて、ダーリンとデートですってぇ!?ゆ、許すまじ!」
本当は少し勘違いをしているのだが、誰も突っ込む人がいないため仕方がない。
キュルケはそのまま部屋を飛び出し、一人の親友の元へ向かった。
「やれやれ、今日はいい天気、そして虚無の日だのう・・・」
学院長室でオスマンが茶を飲みながら、しみじみと呟いた。聞くからにジジくさい台詞でったが、実際オスマンの実年齢は誰も知らず、「実は300歳を超えているのでは」と噂されるほどである。
オスマンは続いて水キセルを取り出し吸おうとしたのだが、それは失敗に終わった。誰かが魔法でオスマンから水キセルを取り上げたのだ。
「オールド・オスマン。もう歳なのですから水キセルはほどほどにして下さい。」
取り上げた張本人―――オスマンの秘書、ロングビルはため息交じりに注意した。しかし、オスマンは悪びれる様子もなく、
「全く、老い先短い年寄りの楽しみを奪うとは何事じゃ。仕方がない、ならばもう一つの楽しみに興ずるとするかのう。」
と、床に手を伸ばすと、白いネズミがオスマンの腕を上ってきた。彼の使い魔のモートソグニルである。
「おお、モートソグニルや。して今日のミス・ロングビルの色は・・・む、そうか白か!しかしやはりミス・ロングビルには黒が似合うと思うのだが・・・」
「オ、オールド・オスマン・・・、今度やったら本当に王宮に訴えますからね・・・」
と、スケベな学院長に眉毛をピクピクさせるロングビル。するとオスマンは謝るどころか「バカモン!」と言ってガタリと椅子から立ち上がった。
「王宮が怖くて学院長などやっていられるか!!」
「言ってることはご立派ですが、していることを考えると素直に褒められません!」
「ふん、下着を見られたくらいで何じゃ!そんなに硬いから婚期を逃すんじゃよ!!」
「なあんですってぇ!!!」
数分前の静けさは何処へやら、ギャアギャアと言い合いを始める二人。そこへ、
コンコンッ
「失礼します。オールド・オスマン!」
「おや、どうしたのじゃミスター・コルベール。」
来訪者、コルベールが部屋に入ると何事もなかったかのような態度でオスマンは迎えた。ロングビルに至っては椅子に座り直し黙々と書類整理を行っていた。
「・・・。」
「どうしたのじゃ、不思議そうな顔をして。」
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