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とある星の力を使いし者
第153話
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犬の視界を通してみていたが興味深い。
 猟犬を弾き、怯えさせる光。
 自分の目で見ると星の力を微弱に感じるな。
 これでは猟犬では荷が重いな。」

本を開けて何かを呟く。
その言葉は愛穂達には何を言っているのか聞き取る事ができなかった。
その呪文は唱えれば人の正気を蝕む呪文なのだが、それを苦もなく唱える。
先程と同じ様に一メートルの次元の穴が開く。
そこから男は何かを掴み、引き抜く。
愛穂達には何を持っているのかは分からない。
だが、何かを掴んでいるのは間違いなかった。

「今は剣の気分だな。」

そう呟くと見えない何かが形作られる。
典型的な西洋剣だ。
両刃で刃渡り二〇センチで長さは一メートルくらいの剣だ。
調子を確かめるように剣を振る。
すると、光の輪が突然バチチィ!!と音を立てる。
愛穂達は見えた。
光の輪を斬りつける斬撃が。
男は約一〇メートルは離れている。
一歩も動いてない。
なのにすぐ目の前で斬り付けられたような不可思議な現象が目の前で起こった。

「次元干渉まで保護してあるのか。
 過保護だな。
 だが、そのおかげで彼女達は生きているのだが。」

男は剣を振り続ける。
あらゆる角度から斬撃が光の輪を襲う。
やがて、その光の輪が徐々に欠けてきた。
三人は直感する。
これが破られれば自分達は死ぬと。
だが、自分達に何かできる事はない。
ただ迫り来る死をを見届けるしかなかった。

「ど、どうなるんですか・・・」

震える声で制理は言う。
愛穂は涙を溜めて震えている制理を抱きしめる。

「あの輪が壊れたら振り返らずに後ろに逃げて。
 あの化け物一体くらい絶対に押えてみせる。」

優しい声で話しかける。
本当は自分も震えている。
だが、自分は警備員(アンチスキル)で教師だ。
目の前の生徒を守らないといけない。
例え、自分の命を引き換えにしても。

「逃げれたらすぐに恭介に連絡するじゃん。
 あいつならきっと守ってくれる。」

「でも、番号分からないです。」

「ウチの携帯を渡しとくじゃん。」

ポケットから携帯を出して制理に渡す。

「貴女を一人にはさせないわよ。」

これから愛穂が何をするか分かっているのか桔梗は真剣な表情で言う。
親友のその表情を見て、愛穂は軽く笑みを浮かべる。

「この子が逃げた後、一人は心細いでしょ。
 桔梗、あなたが側にいてあげて。」

「でも、一人にして置いていくなんて私には!!」

桔梗はそういうが愛穂は何も答えない。
ただ笑顔を浮かべている。
桔梗は泣きそうになるが、寸での所で堪えて愛穂を抱きしめる。

「恭介を頼むじゃん。」

「分かったわ。」

二人が離れ、桔梗は
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