第153話
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きない。
その人物は未だに莫大な光を放つ何かに視線を向ける。
「アレイスターめ、人工的ながらに天使を召喚したか。
さすがは教皇様が守護者以外で警戒する人物だ。」
ただ独り言のようにそう呟く。
その言葉は三人の耳に届く。
三人はアレイスターという言葉に聞き覚えがあった。
この学園都市に通っているのなら誰にでも分かる。
学園都市統括理事長の名前だ。
「虚数学区。
これを展開されれば法則を書き換えられ魔術は反動を受ける。
ヴェントはさぞきつかろうな。」
桔梗はその虚数学区という言葉に聞き覚えがあった。
学園都市で出回っている都市伝説に出てくる一つだ。
言葉の真意は分からない。
彼は言葉を区切って言う。
「まぁ、私は関係ないがね。」
そうしてようやく、愛穂達に視線を向けた。
フードを被っているので視線などは分からない。
なのに三人は自分達の眼を見ているというのが分かった。
それだけで息が詰まる。
その人はフードに手をかける。
整った顔立ちだった。
黒い髪に黒い瞳。
短い髪にワックスが塗られているのか髪が整っていた。
顔を見た限り男性の様だ。
彼は虚空に手を伸ばすと一メートルの穴ができる。
穴に手を入れ、一冊の本を取り出す。
「これはカーナックの書と呼ばれる本でね。
ティンダロスの猟犬、君達を執拗に追いかけていたあの犬だね。
あれを操ったりできる方法が書かれている。
異次元の知的生命体の実在に関する記述もされている。」
誰に説明を求めていないのに持っている本の話をする。
話の後半は何を言っているのか分からなかったが、これだけは分かった。
あの化け物を操っていたのはこの男なのだと。
固まった身体を必死に動かしハンドガンを取り出して、銃口を向ける。
「何を言っているのかは分からないけど、あんたがあの化け物を操っているのなら話は別じゃん。
その本を捨てて地面に伏せるじゃん。」
「おや、私が妄想しているという可能性が考えられないかい?
あの天使を見て自分の信じている神様が実在したんだ、とそう妄信に憑りつかれていると思わないかい?」
確かにこの男のいう事も一理ある。
だが、実際にあの化け物に追われているのだ。
この状況で操っているなどという発言を聞けば怪しいと思ってしまう。
もし間違いなら全力で謝罪すればいい。
銃口を下げずに告げる。
「その可能性も判断する為にその本を捨てて。
捨てれば危害を加えない。」
「まぁ嘘だがね。」
周りの鋭角から愛穂達を囲むようにティンダロスの猟犬が出現する。
そのまま愛穂達を襲うが、お守りが光の輪を作り守る。
その輪を見た男はほう、と感心の声をあげる。
「ティンダロスの猟
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