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とある星の力を使いし者
第153話
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意味がないと先程のやり取りで分かっている。
合計一〇の猟犬に囲まれてしまう。
猟犬は遊ぶつもりはないのか、一斉に三人に襲い掛かる。
銃一丁ではこの数を相手にできない。
その時、再び愛穂の持っているお守りが光り出す。
すぐに光の輪が三人を包み込む。
ティンダロスの猟犬たちはその輪に弾かれる。
さらに輪の光に怯えているのかその後も襲いにかかってこない。

「逃げるよ!」

囲まれている状況は変わらない。
あのティンダロスの猟犬の横を通り抜けようとは考えなかった。
この輪があるとはいえ、いつまで持つかは分からない。
一番近い路地の中に逃げ込む。
正直、この道は支部とは逆の方向になる。
だが、この道からでも回り道になるが行けない事はない。
後ろに走っている桔梗に軽く視線を向ける。
さっきよりも息が荒い。
桔梗が動けなくなるのも時間の問題だろう。
このまま逃げ続ける事はできない。
どこかで勝負をかけないと、と愛穂が路地を出た時だった。
不意打ちのように一体のティンダロスの猟犬が先頭を走っている愛穂に襲い掛かる。
愛穂が対処する前にあのお守りが光の輪が愛穂を守る。
間髪入れずに最後尾にいる桔梗にティンダロスの猟犬が襲い掛かる。
愛穂を守っていた輪はまさに一瞬で桔梗の所まで広がり守る。
桔梗は息を呑んだが、この輪に守られたという事を確認して少し安堵の息を吐く。
この狙ったかのような襲撃のタイミング。
何故か自分達だけを執拗に追いかけてくる。
この事からティンダロスの猟犬たちは何かに操られている可能性が高い。
そう考えた桔梗は愛穂に言う。

「愛穂!
 この化け物は誰かに操られている可能性がある!」

「そいつ趣味悪いすぎじゃん!
 何にしてもそいつを見つけないと!」

それにしても制理をこのままにしておく訳にはいかない。
だが、支部以外に安全な所が思いつかない。
ただでさえ警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)の八割は麻痺している。
どの道、支部に向かう事を目的として行動した方が良い。
とにかくまた挟み撃ちされるのも面倒なので路地から脱出する。
ティンダロスの猟犬は既に姿を消していた。
少し回り道をして支部に向かおうとして前を見た時だった。
その人物は立っていた。
足首まで覆った赤いフードつきのコート。
フードは深く被っているので表情が見えない。
女性なのか男性なのかもわからない。
愛穂達には本能が悟っていた。
その人物からはあのティンダロスの猟犬を遥かに凌駕する存在感を。
三人からは嫌な汗が止まらなかった。
一歩も動く事はできなかった。
首元には見えない刃物を突きつけられているような。
そんな錯覚に陥ってしまうほど何かがあった。
故に視線を外す事がで
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