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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第2章 滅殺姫の憂鬱と焼き鳥の末路
第40話 絶体絶命
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てはならないことです。戦いでは心の折れた者から脱落します」

「で、でも……それでももう皆が傷付くのを見たくなくて……」

 そう言って部長は俯いて泣き始めた。

「火織、あいつの眷属たちは?」

「そ、そうですわ!」

 力が入らない体に鞭打って聞いてみると、焼き鳥の妹が声を被せてきた。

「あ、あなた達はカーラマインと戦っているはずでしょう!? それがなんでこんな所にいますの!?」

「ああ、それなら……白音」

「はい」

 返事をした白音ちゃんは指をぱちんと鳴らすと



ドオォォォォォォォォン!!



 校庭の方からものすごい爆発音がした。それと同時に

『ライザー・フェニックス様の戦車(ルーク)2名、騎士(ナイト)2名、僧侶(ビショップ)1名、兵士(ポーン)6名、リタイヤ』

「そんな!?」

 そう言って焼き鳥の妹は絶句した。見れば焼き鳥も、そして目の前の部長も驚いている。

「き、貴様ら、俺の下僕に何をした?」

「簡単なことです。私達で全員ぶっ叩いたあと黒姉が霧で拘束して、その後白音が全員に遠隔起爆式の気弾を仕掛けただけです。すぐその場でリタイヤさせてここに現れなかったら不自然ですから」

 あ、あれ全員すぐに倒したっていうのか? しかもほぼ無傷で?

「さて……」

 そう言った火織は膝をついて俺の顔を覗きこんできた。

「イッセー、あなたはまだ戦いたい?」

 ……え?

「火織、あなた何言ってるの!? イッセーはもうこんなにぼろぼろなのよ!? なのにこれ以上彼を戦わせようって言うの!?」

「部長、少し黙って下さい。私はイッセーに質問しているんです」

 火織は部長をたしなめると再度俺の顔を覗きこんで言った。

「イッセー、あなたは今回の修行で強くなった。今回の修業の成果としては十分合格だと思ってる。だから今回はもう限界だというのならそれでも構わないわ。後は私達が終わらせてあげる。でも……」

 そう言って火織は俺の頬に手を這わせた。

「でももしあなたがまだ戦いたいというのなら……私達があなたに戦うための力を貸してあげる。決めるのはイッセーよ。さあ、どうする?」

ドクンッ

 その言葉に俺の心臓は飛び跳ねた。こんな状態でもまだ戦える?

「いい加減にしてちょうだい! もう戦えるわけ……イッセー?」

 俺はなおも反論しようとする部長の腕を掴んで発言を止めた。

「部長、ありがとうございます。でも俺……」

 そう言った後視線を火織に向ける。火織は真剣に俺の顔を覗きこんでくれていた。

「火織、俺まだ戦いたい。まだ俺何も出来ていない。部長を守るって約束したのに、全然守れていない! 
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