混沌 新たなる助っ人
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生このままになっちゃう!」
アオイは今にも泣き出しそうな顔だ。
「ハハハ、これで勝負はあったな」
タイププラスは大満足で大笑いだ。
「クソッ」
苦虫を噛み潰す健太。
アオイも膝からがくんと崩れ落ちて泣いて悔しがった。
この状況を打破する策がまったく思い浮かばなかった。
4.
「アオイさん!アオイさん!」
下の方から彼女を呼ぶ小さな声が聞こえた。
聞き覚えのあるその声の主は――
「み、美紅ちゃん?」
声の方に視線をずらすと白いパンティが地面に落ちていた。
その隙間から恥ずかしそうに顔を出す美紅の姿がそこにはあった。
「どうしたの!? そんなに小さくなっちゃって……」
小人のように小さくなった美紅の姿を見てアオイは驚いた。
「美紅ちゃんはあいつらに小さくされちゃったんだよ」
健太がそれをフォローした。
「つまり、あいつは人のサイズや体型を変えることができるのね……」
やっかいな能力だとアオイは改めて思った。
真面目に今の状況をなんとかしなきゃと考えているのに、不自然に太っているその姿のせいでまったく様になっていない。
健太も悪気はないのだがアオイを見る目が少し冷ややかだ。
「そんな目で見ないでよぉ〜!」
半泣きのアオイに申し訳ないと思ったのか健太もモードを切り替えた。
「でも、とにかく、元に戻す方法を聞き出さないとはじまらないぞ……」
とはいえ、やはり笑ってしまいそうなのは簡単に抑えることはできない。
神妙な顔つきで必死にごまかしていた。
「その話なんだけど……」
美紅が口を挟んだ。
美紅は小さくなってしまったために出せる声の大きさも小さくなっているために、必死に大声で言っているのだけれど、発言自体がとても申し訳なさそうな遠慮がちに聞こえる。
「どうしたの? 美紅ちゃん」
アオイは不真面目な健太は放っておいて美紅の声に傾けた。
「あの怪人を倒せば元に戻るはずよ」
その言葉にアオイは前のめりになって、美紅に顔を近づけた。
「美紅ちゃん、どうしてそれをっ!?」
ちょっと顔が近づきすぎて、旅人を襲う北風のように息が荒い。
美紅はちょっと引き気味だ。
しかし顔を近づけてくれたお蔭であまり大声を出さずに済んだ・
「さ、さっきスモールプラスが言ってたのよ。元に戻るには倒すしかないって」
キラーン!
アオイは目を輝かせた。
「……ということは」
健太の方に目をやると健太も目を輝かせていた。
タイププラスは逃げ腰だ。
身から出た錆、自業自得。すでに自分で弱点をさらけ出していたのだ。
「それさえわかれば、はやく決着つけなくちゃ!」
ウイングマンはそう言うと決めのポーズをとった。
アオイを早く元に戻してあげたいという気持ちから出た言葉だ。
それにウイングマンに変身できる
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