混沌 新たなる助っ人
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なのに、アオイを見る健太と桃子の顔が歪んでいく。
「あ、アオイさん……」
特に桃子は絶句して表情は恐怖でこわばっていた。
「やめろ! そんなことして何になるっ!? 」
アオイとしては腕を強く掴まれている程度で、それ以上の痛みはないのに2人の表情や態度はどういうことだろう。
何かしら恐ろしいことが行われているようにしか思えなかった。
「ちょ、ちょっとみんなどうしちゃったのよ?」
桃子は戦意喪失しているように見えた。
「動けないけど、私は大丈夫だから!」
アオイは死に自分の無事をアピールする。
痛みもないし何も我慢もしていないのだ。
しかし、健太、桃子にはまるでその言葉が聞こえていないかのように表情がみ合っていない。
アオイも強がってはみたが段々と不安になりはじめた。
その不安を煽るかのようにタイププラスはアオイに語りかけた。
「ほう、その恰好で大丈夫なのか。お前は衣装、窮屈になっただろ?」
確かに言われてみればそうだった。
両腕を抑えられていたせいでしびれてそう感じているのだとアオイは思っていた。
しかし、冷静になってみると確かに締め付けられていると感じる部分は限られていた。胸と腰、そして足と腕……
その窮屈さはコスチュームの位置と合致していた。
すごく嫌な予感がする。
とりあえずアオイは自分の目で確かめてみようと窮屈だと感じる部分に目をやった。
コスチュームが異様に伸びきっている!
それだけじゃない。アオイの体が伸びきっていた!
体が太りすぎてコスチュームがはちきれそうになっていたのだ。
「え〜っ!? 何、これぇ〜っっ!?」
アオイは一瞬、自分の目を疑った。というよりは信じたくなかった。
相撲取りかと見まごうくらいに太らされてしまっているのだ。
もう一度見直したが、やはり体が変化しているのは間違いがなかった。
実際どのくらい太っているかは認識はできていないがふくよかな手足やお腹を見ると、その変化には愕然とした。
「ハハハハ。実害としては動きが鈍くなるくらいだが、精神的なダメージは相当キツイんじゃないか?」
アオイの反応にタイププラスは得意げに笑った。
続いて、ウイングマンと桃子に向けて言い放った。
「お前たちもこの攻撃は受けたくないだろう?」
「た、確かに……」
ウイングマンと桃子は目を見合わせた。
「さあ、次はお前の番かな?」
タイププラスは桃子を指差した。
「えっ!?」
いきなり矛先を向けられて桃子は焦った。
そして、自分の太った姿を想像すると、顔がみるみる青ざめた。
「これ以上太るのはイヤ〜っ!」
桃子は慌ててその場を逃げ出した。
桃子は決して太ってはいないが肉付きはいいので体型を気にしていたのだ。
桃子の絶叫はアオイの恐怖心をさらに煽った。
「も、桃子ちゃん!?
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