暁 〜小説投稿サイト〜
ウイングマン ビッグプラススモールプラス
混沌 新たなる助っ人
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やめるわけにはいかない。
「だったらお前が逃げるのをやめろぉっ!」
そんなことを言われたからといっても足を止めるわけにはいかない。
追いつかれれば勝ち目はないことぐらいビッグプラスも自覚している。
「こうなったらこの手しかないな!」
ウイングマンとの差が縮まってもう一歩でつかまりそうなところまで追い詰められた。
そこでビッグプラスは奥の手を出した。
木を避けるとその木を目がけて光線を放った。
「うわっ」
いきなりウイングマンの目の前の木が巨大化して通せんぼをするのだ。
クロムレイバーで斬ることはできるが、労力は今までのレベルの比ではない。
またビッグプラスの間が開いてしまった。
「クッソー!! あったまきた、待てぇ〜っ!」
健太はムキになって追いかけた。
しかし、ビッグプラスが木々を巨大化する作戦は、想像以上にウイングマンを苦しめた。
切れども切れども果てしない。
気づけばビッグプラスから随分と離されてしまった。
「それなら、これでどうだ!」
ウイングマンは戦法を変えた。
スパイラルカットを放った。
ウイングマンの額に伸びる角がブーメランとなって相手を攻撃するのがスパイラルカットだ。敵と距離が離れていても相手を攻撃できるのだ。
そして、この作戦は功を奏した。
ウイングマン本体しか気にしていなかったビッグプラスの足に見事に命中したのだ。
「うわっ!」
ビッグプラスが転げるように林から飛び出した。

「ビ、ビッグじゃないかっ!?」
目の前には今まさに桃子に追い詰められているスモールプラスがいた。
ビッグプラスを追っていたウイングマンも続いて姿を現した。
「え〜っ!?なんでピンク?」
本当ならここで健太はビッグプラスにトドメをさすはずだった。
しかし、それよりも先に桃子の格好に驚いた。
桃子の着ていたコスチュームが美紅のものなのだ。
「どういうこと?」
健太は状況が理解できなかった。
胸のあたりが少々キツめで少し胸が目立っていて、美紅のコスチュームとは違った雰囲気に見えるが間違えようがない。
桃子が美紅のコスチュームを着ていることも気になるが美紅の姿が見えないことが気になっていた。
「美紅ちゃんは?」
桃子は少しすまなそう表情を見せて視線をずらした。
その視線を追うと、その先には美紅がいた。
「ひ、広野君……」
パンティに包まって恥ずかしそうにちょこっとだけ顔を出した美紅がいた。
一応、健太に存在だけでも知らせようとのアピールだった。
「美、美紅ちゃん!!!!?」
小さくなった美紅の姿を見て、驚いた。
同時にスモールプラスに怒りが湧いてきた。
「くそー! 美紅ちゃんをこんなにしやがって!」
ビッグプラスのトドメを刺すつもりだった健太だったが、攻撃対象を急遽変更した。

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