第六幕その九
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「王子が今食べているツナサンドもね」
「成程ね、このツナサンドはね」
「美味しいね」
「かなりね」
実際に今もぱくぱくと食べています、王子がどれだけツナサンドを気に入っているのかよくわかる光景です。
「最近朝もよく食べるよ」
「こうしたアレンジが本当に上手なんだよ、日本人は」
「自分達の好みにすることが」
「何でもね」
「お料理に限らずに」
「そのアレンジには脱帽するよ」
先生にしても、というのです。
「僕も勉強になるよ」
「僕もそれを勉強しているけれど」
留学に来ている王子もなのです、このことは。
「ただね」
「ただっていうと?」
「日本は勉強するべきことが多いから」
「アレンジについてはなんだ」
「まだあまり勉強していないかな」
自分の勉強を振り返っての言葉です。
「他の国のものを日本に合わせていくことについては」
「いや、それはね」
「それは?」
「普通にあるから」
「その辺りになんだ」
「例えば日本語も」
日本人が使っているこの言葉もというのです。
「漢字は中国から来たものだね」
「うん」
「それを日本に合うようにしたものがね」
「日本語の中にある漢字なんだ」
「そして片仮名や平仮名も」
この二つの文字もというのです、日本語の中で漢字と一緒に使われているこの文字はといいますと。
「漢字から出来た文字だからね」
「じゃあ漢字をアレンジして」
「そう、日本語の文字が出来たんだ」
「そうだったんだ」
「その三つの文字を使うのが日本語だね」
「そうそう、日本語って一つの文字じゃないんだよね」
そのことはとです、王子も応えます。
「そこれがまた難しくて」
「僕も困ったけれどね」
その難しさにというのです。
「日本語は難しいね」
「僕も今も苦労しているよ」
そのことは先生も同じでした、少し苦笑いになっての言葉です。
「わかりにくいね」
「何かとね」
「けれどその日本語もね」
「日本のアレンジなんだね」
「そうなんだよ」
漢字をそうしていって形成されたものだというのです。
「お料理だけじゃないんだ」
「その他のこともなんだ」
「だから日本を学ぶこと自体がね」
「そのアレンジを学ぶことなんだね」
「うん、そうだよ」
王子にです、先生は笑顔でお話しました。
「だからこのことについて難しく考えることはないよ」
「そうなんだね」
「そう、だからね」
「アレンジについては難しく考えずに」
「日本について勉強していけばいんだよ」
アレンジが日本そのものの中にあるからというのです。
「そういうことだよ」
「成程ね、じゃあこのままいくね」
「そういうことでね、ただ」
「ただ?」
「日本はね」
日本自体についても言及し
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ