王女の愛――DQ3からDQ1へ
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んだもん」
ナギサは膨れっ面でこう言った。ちなみにあの時というのはアリアハンの世界に戻ってきた直後、お祭り騒ぎの町の中、4人だけ国王に呼び出され、いろいろと説明をし合っていたときのことである。
「ははははっ」
「笑わないでよー」
4人はしばらくゆっくりと歩いていった。もちろん、トウカとナギサはレイルとプラチナの十数メートル後ろを。
と、
「…プラチナ」
「はい?レイルさん」
「僕は、君と結婚できて幸せだよ。これからも一緒に…仲良くしていこうねっ」
「……はい、レイルさん…。私も、レイルさんの妻になれて嬉しいです…」
レイルとプラチナはお互いに見つめあい、微笑んだ。プラチナの目には涙がうっすら浮かんでいた。嬉し泣きである、もちろん。
「いよっお似合い夫婦!」
「ナギサ、お前も早く旦那候補を見つけろ…見つかるかどうか解らんがな」
「何よ!トウカこそ…」
言い合いをはじめたトウカとナギサにレイルとプラチナは苦笑いをした。
「相変わらずだね」
「でも、仲はいいんですよね」
「友達としてはいいって言ってるもんね、あの二人」
レイルはそういいながら国王からもらったペンダントに目をやった。
(…どんな人たちが手にするのかな…。そして、僕を継ぐ勇者って…どんな人かな。そして、僕とプラチナの愛は…どんな風に伝わっていくのかな…)
そしてプラチナを見ると、彼女もまたペンダントを見つめていた。大方、彼女もレイルと同じようなことを考えていたのだ。
そしてお互い目を合わせるとまた、二人微笑んだ。
あれから幾つもの時が流れた。
アレフガルドに再び危機が訪れ、竜王が闇の力を使い、悪意だらけの魔物がいる世界にしてしまったのだ。
町がいくつも滅ぼされ、ローラ姫がさらわれ、アレフガルドの中心都市、ラダトームは重い空気が漂っていた。
しかし、ラダトームの町の一人の若者が力をつけ、戦い続け、そして竜王軍の幹部の一匹であるドラゴンを倒し、ローラ姫を救出した。
その若者こそ、勇者ロト――レイルの血を引く勇者、ハルカ=R=ドランスフィールドであった。
「ハルカ様」
「ローラ姫、どうしたんです?もう夜遅いですよ?」
ローラ姫救出記念の祝いの宴の後だった。ハルカは城のテラスで一人佇んでいた。
「ハルカ様こそ」
ローラ姫はまだ宴のときの美しいドレスの格好のままであった。
「何だか…眠れなくて。ローラ姫もですか?」
「ええ。それに、私、ハルカ様に贈り物をするのをすっかり忘れていましたのです」
「贈り物?」
ローラ姫は嬉しそう後ろに回した手を前に出す。そこには一つの、きれいな箱があった。
そしてそれをあけると、二つの美しいペンダントが現れたのだ。
「これ…二つも僕に?」
「いいえ。片方一つですわ。…えっと…こちらですわ。お
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