番外19話『スカイピア』
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声をあげながら空島へと足を下ろしていく。
「しかしたまげたなこの風景にゃ……まるで夢だ」
「全くだ……それにあいつらのハシャギようときたら……ハハしょうがねぇな……ひゃっほーーーい!」
「おめぇもだよ」
冷静な言葉とは裏腹にサンジまでもが興奮のまま空島の海へと飛び込んでいくサマにゾロが呆れたように言葉を落とす。
ついに空島に到着したことでテンションが振りきれてしまった彼らが目を輝かせながら興奮しているサマは海賊というよりも無邪気な子供の姿でしかないが、それはある意味では仕方のないことだろう。
モックタウンではただの夢でしかないと笑いものにされ、猿山連合軍もその存在に関してはあると断定できなかったこの夢の島。雲の上に町が存在しうるという地上にあっては誰もが想像の出来ない世界が今まさに現実として彼らの目の前に広がっているのだ。
それであくまでも冷静な態度でいられるゾロのほうが珍しいだろう。
「……そういやハントの姿がねぇな」
錨をおろしながら、ルフィやウソップ同様にこういった未知のものに対しては目を輝かせることうけあいのハントの姿が見当たらないことに、ゾロが不思議そうな表情で呟いた。ゾロが疑問に思って首を傾げた丁度のその時、彼の背後から声が。
「いって! いやだから痛いって! 悪かった! 悪かったって!」
ノックアップストリームに乗るために連れてきたサウスバードにつつかれながらハントが甲板に姿を現した。
「……完全に逃がすの忘れてた……それもこれもティーチのせいだ、間違いない」
恨み言を漏らしながらもそのまま空島の世界へと羽ばたいていくサウスバードの尾を見つめながら「……大丈夫かなぁ、あいつ」と少しだけ心配そうに言葉を落とす。錨を落とすという作業を続行しながらもその言葉が聞こえていたゾロが「人も住んでるみてぇだ……生きていけるだろ」と半分聞き流しながらハントへとフォローを入れる。
「……そう、だな」
やはり負い目を感じているのか、少しだけ小さい声になったハントの横から今度はナミがロビンと会話しながらも空島の海へと足を下ろす。
「正直こんな空の世界、想像もつかなかったけど……ハハ、体感しちゃったら疑いようがないわ!」
ルフィたちにも劣らないほどに輝やいた笑顔を、まだ甲板にいるロビンに向けてそのまま視線をハントへと移す。
「ほら、ハントも!」
「お、おう!」
やはりサウスバードの件があったとはいえハントもまた空島に対して並々ならぬ興味を抱いていただけのことはある。一瞬前まであったハントの気配が嘘のように「じゃああと宜しく!」とゾロに声をかけて、その返事も待たずに、そして実に嬉しそうにそのまま甲板から飛び降りる。
「これが空島か!」
「本当に
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