番外19話『スカイピア』
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れた態勢を、空中で何度も回転して立て直した牛の男が右手に備えていたバズーカ砲を構えた。
一々の動きに無駄がない。
相当に戦闘慣れしている証拠だろう。
――反応はいい……けど!
だが、ハントと対等以上に戦うにはまだ甘い。
既にその動きを察していたハントが若葉瓦正拳を放とうとして「そこまでだぁ!」というまた新たな人物の登場によりその動きを寸前で止めた。
大きな鳥に乗り、さっそうと現れた甲冑に身を包んだ男が鉄槍で牛の男を一突き。牛の男も四角い盾でそれを防いだものの衝撃までは殺しきれずに空の海へと叩き付けられてしまった。
「……今度は何だ?」
つぶやいたハントの声が聞こえたのか、甲冑の男がそれに答えるように口を開く。
「う〜む、吾輩……空の騎士」
「ピエ〜」
鳥の鳴き声が、どこかBGMのようにメリー号で響いた。
「勇者たちに幸運あれ!」
鳥にしてウマウマの実の能力を持っている鳥、ピエールにまたがって颯爽と去っていく空の騎士、ガン・フォールの背中を一同で見送る。
吹けば一度だけ助けてくれるという笛を彼からもらった以外には何も得ることのなかったガン・フォールとの出会いだが、元々誰かに助けをもらえるとも思っていない冒険だ。
「なぁ、あそこ見てくれ!」
「何かしら、滝のようにも見えるけど」
「変な雲だろ?」
と、チョッパーとロビンの会話によりとりあえずの行き先が決まった。
舵をとり、そちらへと向かう船だったがすぐさままた別の問題が登場した。
「……の前にでっかい雲……どうする?」
滝のような雲に向かってすぐ、メリー号の進路を遮るかのように空の海に陸地のように大きな雲が、まるで小さな島のように散在していた。
「空の海に浮いてるんだから同じ空の海じゃねぇだろ」
「……じゃ、どんな雲だ?」
「ただの雲ならそのまま進むんだけど」
「触ったらわかるだろ……んんっ!」
悩む彼らに、真っ先にルフィが体を動かした。
ゴムの腕を伸ばして、一直線にその雲へと――
「――わっ、弾いたっ!」
「……うおおおおお!」
雲に触れることが嬉しかったのか、それとも柔らかそうな弾力があったことからか、とにかくチョッパーの目がそれで光った。
「見ろ! 乗れた! 沈まねぇぞ! ふかふかする綿みてぇだ!」
いつの間にかその不思議な雲へと飛び乗っていたルフィが笑いながら飛び跳ねる。
「すげーーーー!」
チョッパーが目をさらに強く輝かせる横でナミとロビンが「どういう現象?」「不思議」と、やはり驚きの会話を繰り広げる中、こういうものに触れて黙っていられるわけがない男がルフィの他にも二人。
「うお! 俺も行く!」
「俺
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