決闘の食堂
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」
その声とともに、爆炎の中から未知夫が静かに歩いてくる。服には少しばかり焦げ痕がついているものの、煤を払いながら悠然とバーグの元へ歩みよっていく。
『茂古田選手、無事なようです!』
『ミッチー!』
『ミッチィ!』
「……何をした」
ファンからの安堵したような声援と、バーグの自らのエースをどうしたのかという疑問の声が、観客の声援へと手を振って応える未知夫の元へ届く。
「おもてなしを受けるにはドレスコードも必要だからね。伏せていた罠カード《門前払い》を発動していたのさ」
未知夫が《カレー魔人ルー》の戦闘前に発動させていたのは、永続罠カード《門前払い》。バーグの切り札である《カレー魔人ルー》は、気づかぬうちにバーグの手札へと帰還していた。
「戦闘ダメージを与えたモンスターは、手札に戻ることになるのさ」
「……ターンエンドだ」
もう《ニンジンマン》を通常召喚したターンのため、勝利を逃したバーグに、このターンに出来ることは何もない。潔くターンを終了し、未知夫へとターンを移行する。
『茂古田選手、なんとか首の皮一枚繋がったぁー!』
「そうだな……首の皮一枚だ。RCMがほぼ除外された今、お前に勝ち目はない!」
確かにバーグの言う通り、頼みのRCMたちは《カレー・ポット》の効果でほとんど除外されており、残るは先のターンに効果を発動し、手札に戻っていた《RCM ナイト・ナポリタン》のみ。
「それはどうだろうねえ?」
「何だと?」
「僕のおもてなしは、もうすぐ完了するってことさ。ドロー!」
それでも未知夫は、大胆不敵にもそう言ってのけると、ドローしたカードをチラリと見ると手札に残し、手札にあったカードをデュエルディスクにセットする。
「さあ出番だ! 《CM ヒヨコムギ》!」
そして召喚されたのは、麦袋に身体をすっぽりとはめたヒヨコ型モンスター。先のターンにアクションカード《バーガーワールド》によって、デッキからサーチされていたモンスターであり、とてとてとキッチンの周りを走り回る。
「そんな攻撃力100のモンスターで……」
「確かに、ヒヨコムギはただの下級モンスターだ。だけど、そこに『一工夫』することで、至高のおもてなしへと進化する!」
バーグの言う通り、鳴り物入りで召喚された《CM ヒヨコムギ》の攻撃力はたったの100。しかし、そう発言したバーグでさえ、油断する気は毛頭ない。RCMたちや《カレー魔人ルー》と、クッキングモンスターの元々の攻撃力とは不釣り合いな高火力は、誰よりも承知しているからだ。
「バトルだ! 《CM ヒヨコムギ》でダイレクトアタック!」
「くっ!」
バーグLP1800→1700
走
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