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【短編】遊戯王ARC-V −舞網市、激闘につき−
決闘の食堂
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 その声とともに、爆炎の中から未知夫が静かに歩いてくる。服には少しばかり焦げ痕がついているものの、煤を払いながら悠然とバーグの元へ歩みよっていく。

『茂古田選手、無事なようです!』

『ミッチー!』

『ミッチィ!』

「……何をした」

 ファンからの安堵したような声援と、バーグの自らのエースをどうしたのかという疑問の声が、観客の声援へと手を振って応える未知夫の元へ届く。

「おもてなしを受けるにはドレスコードも必要だからね。伏せていた罠カード《門前払い》を発動していたのさ」

 未知夫が《カレー魔人ルー》の戦闘前に発動させていたのは、永続罠カード《門前払い》。バーグの切り札である《カレー魔人ルー》は、気づかぬうちにバーグの手札へと帰還していた。

「戦闘ダメージを与えたモンスターは、手札に戻ることになるのさ」

「……ターンエンドだ」

 もう《ニンジンマン》を通常召喚したターンのため、勝利を逃したバーグに、このターンに出来ることは何もない。潔くターンを終了し、未知夫へとターンを移行する。

『茂古田選手、なんとか首の皮一枚繋がったぁー!』

「そうだな……首の皮一枚だ。RCMがほぼ除外された今、お前に勝ち目はない!」

 確かにバーグの言う通り、頼みのRCMたちは《カレー・ポット》の効果でほとんど除外されており、残るは先のターンに効果を発動し、手札に戻っていた《RCM ナイト・ナポリタン》のみ。

「それはどうだろうねえ?」

「何だと?」

「僕のおもてなしは、もうすぐ完了するってことさ。ドロー!」

 それでも未知夫は、大胆不敵にもそう言ってのけると、ドローしたカードをチラリと見ると手札に残し、手札にあったカードをデュエルディスクにセットする。

「さあ出番だ! 《CM ヒヨコムギ》!」

 そして召喚されたのは、麦袋に身体をすっぽりとはめたヒヨコ型モンスター。先のターンにアクションカード《バーガーワールド》によって、デッキからサーチされていたモンスターであり、とてとてとキッチンの周りを走り回る。

「そんな攻撃力100のモンスターで……」

「確かに、ヒヨコムギはただの下級モンスターだ。だけど、そこに『一工夫』することで、至高のおもてなしへと進化する!」

 バーグの言う通り、鳴り物入りで召喚された《CM ヒヨコムギ》の攻撃力はたったの100。しかし、そう発言したバーグでさえ、油断する気は毛頭ない。RCMたちや《カレー魔人ルー》と、クッキングモンスターの元々の攻撃力とは不釣り合いな高火力は、誰よりも承知しているからだ。

「バトルだ! 《CM ヒヨコムギ》でダイレクトアタック!」

「くっ!」

バーグLP1800→1700

 走
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