決闘の食堂
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だが、未知夫の周辺には探してもアクションカードはなく、その二枚のリバースカードも攻撃を防ぐカードではなかった。あと未知夫が出来ることは、アクションカードがあることに賭け、今まで探索していなかった場所に飛び込むこと。
「させるか、バトルだ! 《カレー魔人ルー》でダイレクトアタック! クロス・スパイス・ハリケーン!」
これ以上考えている暇はないとばかりに、未知夫が飛びだそうとした瞬間、カレー魔人ルーの攻撃が射出された。音速のスピードで発射されるカレーのルーが、未知夫が行動を起こす前に彼の元へ届く。
『ルーを相手のプレイヤーにシュゥゥゥゥト!』
「……リバースカード、《奇跡の光臨》を発動! 除外ゾーンから天使族モンスター《RCM クイーン・オムレツ》を特殊召喚!」
未知夫の二枚の伏せカードのうち一枚が発動し、音速のルーの前に除外されていたRCMモンスターが特殊召喚された。RCMといえども、その攻撃力は300ポイントであり、攻撃力6600を誇る《カレー魔人ルー》の前に壁として出したところで、未知夫のライフがジャストキルになるのみ――という訳でもない。
『除外ゾーンのモンスターが減ったことにより、《カレー魔人ルー》の攻撃力は300ポイントダウンします!』
未知夫の除外ゾーンからモンスターが特殊召喚されたことにより、《カレー魔人ルー》の攻撃力は300ポイントダウンして6300ポイント。どちらにせよ規格外な数値には変わりはないが、《RCM クイーン・オムレツ》の壁と合わせて、未知夫のライフはギリギリ残る。
「うわぁぁぁ!」
未知夫LP6300→300
《RCM クイーン・オムレツ》は一瞬にして溶解し、未知夫に灼熱のルーが炸裂する。そこからキッチンの上で二次爆発を起こし、アクションフィールドが爆散していく。もはやフィールドは煙で見えず、未知夫の姿はどこにもない。
『もももも茂古田選手は無事でしょうか?』
司会のニコ・スマイリーや、未知夫のファンの観客が未知夫の無事を確認しようとするが、対戦相手のバーグのみは違った。
「煙に紛れてアクションカードを取るか、姑息な手を……」
未知夫の無事など最初から確信している。それでも自分の前に出てこないならば、逆転のためのアクションカードを手に入れているに違いない、と考えに至る。
「《カレー魔人ルー》の第二の攻撃――!?」
ならばアクションカードを手に入れるより早く、《カレー魔人ルー》の第二の攻撃で自らの勝利を確定させれば早い、と攻撃を命じる。……命じた――瞬間、バーグは気づいた。自分の傍らにいた筈の《カレー魔人ルー》が、フィールドのどこにもいないということを。
「悪いけど、アクションカードを取りに行く必要はもうないよ
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