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【短編】遊戯王ARC-V −舞網市、激闘につき−
決闘の食堂
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バーグLP3100→1800

 ダブルバーガーもフルコースの前には無力に等しく、料理するためのナイフとフォークも刃こぼれしてしまい、全く歯が立たない。結果として、《ハングリーバーガー》も未知夫のフルコースとして、一品加わってしまっていた。

「これだけじゃない。速攻魔法《神秘の中華鍋》を発動! 自分フィールドのモンスターを墓地に送ることで、その攻撃力分ライフを回復する。《RCM キング・ハンバーグ》、いただきます!」

 フルコースがさらにコンパクトにまとめられると、弁当のようになって未知夫の前に出現する。墓地に送った《RCM キング・ハンバーグ》は、その元々の攻撃力を4800としていたため、未知夫のライフは一気に4800ポイントの回復を果たす。

未知夫LP1500→6300

「御馳走様。たまには、自分の料理もいいものだねぇ」

「……《カレー・ポット》の効果により、墓地に送られた《RCM キング・ハンバーグ》は除外される」

 バーグのせめてもの抵抗か、未知夫が食べた弁当こと《RCM キング・ハンバーグ》は、《カレー・ポット》に吸収され除外される。《食罪庫》にカードが補充された今、特に墓地を利用しない未知夫は、それを気にすることはなく、淡々とデュエルを進行する。

「カードを一枚伏せ、ターンエンド」

「俺のターン……ドロー!」

 頼みの《ハングリーバーガー》も破壊されてしまい、残る切り札を頼みにバーグは勢いよくカードをドローする。RCMたちに囲まれ、アクションカードも取りにいけず、フィールドに残るは《カレー・ポット》のみ。

 その絶対絶命の状況で、彼がドローしたカードとは――

「俺は《ニンジンマン》を召喚!」

 ――ただの通常モンスターだった。攻撃力はRCMたちよりは高いものの、それでも1000にすら満たず、何の効果もないレベル3モンスター。……それでも、バーグは強気にそのモンスターを召喚した。

「……《RCM ナイト・ナポリタン》の効果を発動! このカードを手札に戻すことで、召喚した相手モンスターを破壊する!」

 そんなバーグの様子にただならぬ気配を感じた未知夫は、相手がただの下級モンスターだろうと、容赦なくRCMの洗礼を加えた。それでも未知夫のフィールドには、まだRCMが三体残っており、何が召喚されようが、充分に対応可能ということもあるが。

 そして意気揚々と現れた《ニンジンマン》は、即座に《RCM ナイト・ナポリタン》に破壊され、墓地ではなく《カレー・ポット》に吸収されて除外される。

「ふははは! 《カレー・ポット》の効果を発動!」

 ――それこそがバーグの狙いだった。《ニンジンマン》をRCMに破壊させ、《カレー・ポット》に吸収させることこそが。
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