決闘の食堂
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舞網チャンピオンシップ、一回戦――ユース行きを賭けた戦いは、止まることなくまだまだ続く。また別の会場では、さらなる戦いが行われようとしていた。
『さーぁて、この第三スタジアムでも、まだまだデュエルは続いていくぞぉ!』
司会者のニコ・スマイリーの声も相変わらずに響き渡る。しかし、その声がうるさいと感じることもないほどに、スタジアムも満員御礼だった。特に女性客、親子連れの多いそのスタジアムに、二人のデュエリストが入場する。
『まずは主婦から大人気! 霧隠料理塾の茂古田未知夫選手の入場だー!』
スタジアムにいる女性客の黄色い喚声と煙とともに、自他ともに認める天才料理人、茂古田未知夫――ことミッチーが現れる。その白い歯をキラリと光らせながら、スタジアムの『お客様』に慣れた様子で手を振っていく。
『対するデュエリストは、LDSアメリカ校からの総合コース留学生、バーグ選手!』
逆のスタジアムから現れたのは、LDSが誇る世界中の支部の一つである、アメリカ校からの留学生だった。黒色の巨漢、という言葉が相応しい外見を惜しげもなく見せびらかしながら、ズンズンとスタジアムの中に入っていく。観客に小さく手を振るミッチーとは対照的に、彼は未知夫のみをギラギラとした目つきで睨みつけていた。
今回のジュニアユース大会には、世界中のLDS支部から留学生が参加している。シンクロコース、エクシーズコース、融合コース、総合コース。四つのコースの成績優秀者が、LDS本校のそれそれのコースのトッププレイヤーとともに、このジュニアユース大会に出場しているのだ。
そして、LDS本校の総合コース出場者、沢渡シンゴと並び総合コースの代表として出場しているのが、このアメリカ校代表の巨漢――バーグという男だった。
「茂古田未知夫……クッキングデュエルの使い手だったな」
「はい。お茶の間の料理人こと、あなたの茂古田未知夫です」
LDSの生徒として警戒しながらも、笑顔を見せて未知夫はバーグへと握手を申し込む。しかし、バーグはその手を一瞥したのみで背を向けると、握手の代わりに一言だけ言い残す。
「お前のクッキングデュエルは俺のものには及ばない。覚えておけ」
「へぇ……楽しみにしておくよ」
その糸目をさらに細めながら、未知夫も不敵にニヤリと笑う。二人とも握手せずに所定の位置につくと、司会のニコ・スマイリーがデュエルを進行する。
『さあて、両者の準備が整ったところで、アクションフィールドのセットとなります!』
試合をする二人や観客といった、スタジアムにいる全ての人物がどんなアクションフィールドがくるか待ちわびる。ニコ・スマイリーはその状況を作りだすため、一瞬自らの台詞を溜めた後にアクションフィールドをセットす
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