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Bistro sin〜秘密の食堂へいらっしゃいませ〜
罪の食堂.3

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.3
 階段を降りた先には、また扉があった。
その扉の先は何かの倉庫のようだったが、それは入って間もなくわかった。
その中には、拳銃やその他にも武器になるような物がたくさんあった。

全員が入ったこところで、平泉が賢太郎に問いかけた。
「賢太郎くん、君は昨日自分は温かい人間ではないと言ったね?君には、ここにいる人間たちが温かく見えるかい?」
その問いかけに、賢太郎はもう一度全員の顔を見て言った。
「…はい。俺には、少なくともここでの月日の中で一緒に過ごした皆さんは、温かいと思える人です。」
平泉はそれを聞いて、いつものようにニコリと笑った。
「そうですか。では、やっぱり君が温かくないと言うことに反論させて貰いましょう。」
「え?」
「ここにいるすべての人間が、前科持ちなんですよ。」
改めて賢太郎は、皆の顔を見た。

六郎は「俺は窃盗を繰り返してた。」
東は「俺は、若い頃に詐欺をしててな。」
藤田は「私は、密輸密売を…。」
太田は「僕は、ハッキングをしていて。」
京極は「強盗。」
小次郎は「僕は、連続放火をね。」
「あれ?小次郎ちゃん、この前は通り魔だって言ってなかった?」
六郎が言うとそう言うと
「僕の時は、人身売買って、言ってましたよね?」
と、太田が言った。
呆れた顔で東が言った。
「こいつは言う度にコロコロ変わるからな〜。誰もこいつの素顔は知らない。」
賢太郎は驚いたが、それをすぐに飲み込めた。

そして、最後の疑問を投げかけた。
「それで、今日の仕事って一体?」

平泉は、賢太郎の眼の奥の何かを感じ取った。
平泉には、それは初めて出会った時の賢太郎とは、別人のような人間に見えた。

そして、平泉が仕事の内容を話し始めた。
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