暁 〜小説投稿サイト〜
ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第4部 誓約の水精霊
第5章 水の精霊
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
農夫が愚痴を言いたいだけ言って去って行った後、モンモランシーは腰にさげた袋から何かを取り出した。

それは一匹の小さなカエルだった。

鮮やかな黄色に、黒い斑点がいくつも散っている。

カエルはモンモランシーの掌の上にちょこんと乗っかって、忠実な下僕のように、まっすぐにモンモランシーを見つめていた。

「カエル!」

カエルが嫌いなルイズが悲鳴を上げて、ウルキオラに寄り添う。

「趣味の悪いカエルだな」

「趣味が悪いなんて言わないで!私の大事な使い魔なんだから」

どうやらその小さなカエルが、モンモランシーの使い魔らしい。

ウルキオラはこいつと同類なのか?、と思うと何とも言えない気持ちになった。

モンモランシーは指を立て、使い魔に命令した。

「いいこと?ロビン。あなたたちの古いお友達と、連絡が取りたいの」

モンモランシーはポケットから針を取り出すと、それで指をついた。

赤い血の玉が膨れ上がる。

その血をカエルに一滴垂らした。

それからすぐに、モンモランシーは魔法を唱え、指先の傷を治療する。

ぺろっと舐めると、再びカエルに顔を近づける。

「これで相手は私のことがわかるわ。覚えていればの話だけどね。偉い精霊、旧き水の精霊を見つけて、盟約の持ち主の一人が話をしたいと告げて頂戴。わかった?」

カエルはぴょこんと頷いた。

それからぴょんと跳ねて、水の中に消えていく。

「今、ロビンが水の精霊を呼びに行ったわ。見つかったら、連れてきてくれるでしょう」

「そうか」

ウルキオラは答えた。

「やってきたら、悲しい話をしないとな。彼女思いの話でもしようかな。かなり古いけど、失恋の話がいいかな?」

ギーシュはうーむ、と首を傾げた。

「悲しい話?なんでそんなのするのよ」

「だって、水の精霊の涙が必要なんだろ?泣いてくれるようなことをしなければならんだろう」

「馬鹿なの?」

「バカか?」

ウルキオラとモンモランシーの声がハモる。

ギーシュは、え、え?、と二人を交互に見る。

「無知だな。水の精霊の涙は通称だ。涙そのものではない」

ウルキオラは屑を見るような目で見つめた。

本の知識は絶大なものである。

ルイズはウルキオラが自分の相手をしてくれないので、寂しそうに顔をウルキオラの背中にすりすりと擦りつけている。

ウルキオラは無視を決め込んでいる。

「だったら水の精霊の涙はなんなんだい?」

ギーシュが尋ねた。

「水の精霊は……、人間たちより、ずっと、ずっと長く生きている存在よ。六千年前に始祖ブリミルがハルケギニアに降臨した際には、既に存在していたというわ。その体は、まるで水のように自
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ