§62 後顧の憂い
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「能力奪われた」
起きてすぐわかった。自分の体に何が起こっているのかはわからないが、能力は未だに封印されている。自分の今の体は普通のカンピオーネのもので、死人ではない。眼も、邪眼の力を振るえる気がしない。おそらく全ての権能が封印されているのだろう。気合いと根性で復活できるかもしれないが、不確定要素に頼るのは最終手段だ。
「今の僕はちょっと身体が頑丈なだけの一般人です」
本当に。逸般人なんて称号を得ることはちょっと出来そうにない。いつまでこの状態が続くのか。時間制限で解放される気配はない。なんとなく、封印している大本を破壊しなければならないタイプの気がする。
「まぢですか」
「その発音なんか女子高生っぽい」
全く無関係だけど、そんな事を思う。女子高生というよりギャルか?
「……ふざけてる場合ですかマスター!!」
案の定怒られる。自分で言ってても今の発言は酷いと思う。だが、謝る前に言うことが一つ。
「恵那寝てるから静かに」
「あぁすみません、ってマスター!!」
「わかってる。ゴメンゴメン」
しかし、どうしよう。
「おそらく最後に僕の顔を掠ったナニカが能力封印に関係してる。問題はそれが「何なのか」という点と「何処に行ったのか」という点なんだよね」
探し物はなんですか? 見つけにくいとか見つけやすいとかそういう次元じゃありません。何を探すのかすら知りません。
「……絶望的だなこりゃ」
封印の大本を壊すのは不可能。ならば、どうするか。
「スサノオに封印の力事態を封印してもらう、ってのも手なんだが今の僕は幽世に行っても長くはもたない。まして、幽世に行くだけの呪力すら確保できてない」
「天叢雲に頼んでみる、というのはどうですか?」
天叢雲は確か権能をコピー出来たり奪えた筈。その方針も悪くないのかもしれないが。
「……やめておこう。呪いの力をかけたやつと叢雲だと比べるまでもなく封印しているやつのほうが強い。解除はかなり厳しい、と思う。おまけに相手の神格がわからない。呪いを解呪しようとした側にまで呪いが伝染しない保証はない」
天叢雲が呪いを解呪しようとして逆に呪われたら。
「仮に叢雲が木偶の坊になったら、護堂の戦力が激減する。日本にカンピオーネ不在の状況を作るわけにはいかない」
「じゃあどうするんです?」
「あの魚モドキを探して倒すしかない」
果たしてそれが出来るのか。神を初めて倒したとき、あれは仲間の姿があった。今は----
「まぁ、大丈夫だろう。てゆーか、なんとかする」
結局楽天的な結論に落ち着く。今から焦ってもどうしようもないのだから。
「あ、エル。ドニかドニのおつき
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