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俺が愛した幻想郷
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第十四話 大体能力のせい
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強いて言うならヒリヒリするくらいだ。砂道で転けたくらいの痛さ

「ちょっとだけ。ちょっとだけで良いので、さっきまで言っていたことを思い出してください」

さっきまで言っていたこと...? 朝ごはんがどうのこうのか。あれは橙を騙す嘘。橙にあのメモを見せないよう、知られないようにした偽装。だが... その偽装はどう考えてもバカ過ぎる、何が朝ごはんだ。ホントに、思ってもないことを口走ったのだ。無意識に... この場合、無意識と言うより無感情、無関心、無気力... 何も考えていない。"無"だ

「っ!?」

後ろ、部屋の隅を向く
何もない。誰も居ない、ただの角だ

「どうしました?」

「なんか... 気配を感じたから」

なんて言ったらいいかわからない。ただの気配。何かが居ると言う気配。紫か? とも思ったが... 紫だったら、俺が気配に気づいたことを一足先に気づいて出てくる。増してや気配を消して逃げることはない。さらに用が無いのに来たりもしない。なんだったのだろうか...?

「もしですよ。もし、さっきの琥珀さんは能力にかけられて居たとしたら」

「その能力のせいで無心になって居た。橙の能力か?」

「いいえ。私の能力じゃないです。仮にその能力を琥珀さんにかけたのが私だとしてもなんの為にかけたのですか。かけた挙句に嫌な人呼ばわりして足引っ掻いたんですよ? ただの嫌がらせじゃないですか。虐めです虐め」

「わかってる。橙がそんなことするわけがない」

ただ、先ほど橙が放った言葉に突っかかる点がある。なんの為にかけたのか、だ。その感じた気配が能力をかけた、そもそも能力が、それらを前提に話を進めているが。そうだとしたら、今後何が起きるかわかったもんじゃない
これもまた異変ってやつなのか?
なんでもかんでも異変にするな、なんて霊夢に言われそうだが... どうせ明日は博麗神社に行くのだ。紫ではなく霊夢にでも聞いてみよう
もう寝てしまおう。ちょっと怖いが、仕方ない
そしてその前に

「ごめん」

「いきなりなんですか。調子狂っちゃいますよぉ」

「謝らなければ俺の気が狂いそうだったから」

「許しますよ。っと言うかもう許してますよ〜。琥珀さんが悪いんじゃありませんし」

そうだな、と一言。そして何も考えずにただなんとなく、布団に入った。そのうち橙が入ってくる
おやすみ


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