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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
ありふれた冒険譚◆冒険の始まり
第四話 第一回ボス攻略、はじまる
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ま武器を右手に持ち替え、やっと立ち直ったもう一匹のモンスターに向き直った。



「まあ、こんなところか……」
独りつぶやき、ナイフを腰の鞘にしまう。残りのポーションは五個。そろそろ帰るころだ。


帰る途中、顔見知りに出会った。

「やあ、久しぶりだな。どうだい、調子は。」
片手剣の剣士、キリトだ。エギルの紹介で知った。ベータテスター出身者で僕と同じソロプレイヤー。条件は同じはずなのに、こいつは、なんで……
「ねえ、キリト。君、今レベルいくつ?」
「お前なあ、いきなりそれ訊くのか?まあいいけどさ…。今日でレベル13になったぞ。」
……なんでこんなに差がつくかなぁ。
「君、相当効率いい狩り方してるよね。いいなあ、僕ももっとレベル上げたい。3日でレベル1つ上げるのが限界だもんなあ……。」
「あ、ああ。何事も経験だよ、経験。うん。そのうち効率もよくなるさ。」
「なんかあやしいな〜。なんでどもるの。まあいいけどさ。ふん。」

そう、ベータテスターたちは総じて狩りの効率がいい。そして、何故か効率がいい狩り方を教えたがらない。理由は不明だけど。

「うう、あやしくなんてないぞ。断じて。あー、ところでさ、今度第一回ボス攻略会議があるじゃん?お前、出るの?」
「当たり前じゃん。なんのためにレベリングしてると思ってるの。」
「へえ、出るんだ。いや、なんかマルバってそういうのに出るタイプじゃないと思ってたよ。意外だなあ。」
「じゃあなに、君は僕がただ生き残るためにレベリングしてるとか思ってたわけ?失礼な。」
「えっ、違うんだ……。そっか、君は強いな。俺はいつだって自分のためだけにレベリングしてきたからなぁ。」
「なーに言ってるの。キリトだってボス戦参加するんでしょ?じゃあ、自分のためだけのレベリングじゃないよ。君のレベリングにも意味はある。」
「そういってもらえると嬉しい。……悪いな、マルバ。励ましてもらっちゃって。」
「やー、励ましてない励ましてない。ボス攻略、がんばろうよ。」
「ああ、そうだな。お互い、がんばろう。」

僕はキリトと拳を突き合わせた。
僕の物語は、ここから動き始める。そんな気がした。
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