第六幕その六
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「それから飲み込むことがアシカですから」
「だからね、この子達もね」
「あまり虫歯はないですね」
「お菓子もね」
その虫歯の原因もなのです。
「殆ど飲み込んでね」
「お口の中で噛むことが殆どないから」
「あまりね、虫歯はね」
「ないんですね」
「そういえばこの子達の歯って」
アシカの歯を見てです、王子が言うことはといいますと。
「他の哺乳類に比べても」
「あまりないっていうんだね」
「牙があって後ろの歯があるけれど」
それでもだというのです。
「発達していない感じがするね」
「熊や象と比べるとだね」
「馬やゴリラと比べても」
そして、と言う王子でした。
「同じ海の哺乳類でもシャチやさっきのヒョウアザラシと比べたら」
「そういえばマッコウクジラの歯って凄いですよね」
トミーはこの鯨をお話に出しました。
「もう大きくて鋭くて」
「うん、あの鯨の歯も凄いね」
「ですがアシカの歯は」
「アシカは獲物を捕まえてね」
そして、というのです。先生の説明では。
「そうして殆ど噛まずに飲み込むんだ」
「そうするからだね」
「そう、噛まないからね」
「あまり歯は発達していないんだね」
「そうだよ、だからお菓子もね」
「食べてもなんだ」
「あまり噛まないから」
それで、というのです。
「虫歯とも縁がないんだ」
「噛まないと歯に食べカスも残らないし」
虫歯の原因となるそれもです。
「いいんだよ」
「このことについては」
「そういうことだよ」
「味わってはいるよ」
「ちゃんとね」
アシカ達はこう言うのでした。
「僕達確かに食べものは殆ど噛まないし」
「飲み込むだけだけれどね」
「それでもだよ」
「味わってはいるよ」
ちゃんとそうしているというのです。
「そうしているからね」
「それでそのお菓子は」
「甘かったよね」
「凄くね」
この子達もこう言うのでした。
「もうびっくりする位に」
「とんでもない甘さだったね」
「これまで食べた中で一番だったね」
「滅茶苦茶甘かったよ」
「成程、君達もそう言うんだね」
先生もアシカ達の言葉に頷くのでした。
「甘過ぎるって」
「実際にそうだったからね」
「そう言うよ」
「本当に甘かったから」
「極め付けに」
「問題はそれが誰が作って君達にあげているのか」
先生はここでもこのことについて考えるのでした。
「本当に誰なのかな」
「それを調べるだけですね」
後は、というトミーでした。
「そして誰かを確かめて」
「その人に止めてもらうんだ」
お菓子を動物達に与えることをです。
「食べものは皆ちゃんと貰っているしね」
「皆お腹を空かしていませんしね」
この学園の中の動物園と水族館の
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