第六幕その二
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「大きくてね」
「しかも強くて」
「僕鷲怖いよ」
「私もよ」
「そう、どの場所にもいるんだよ」
このヒョウアザラシに限らず、というのです。
「南極でもね」
「アザラシっていっても色々なんだね」
しみじみとして言ったのはチーチーでした。
「こうした怖いアザラシもいるんだね」
「そうだよ、そしてこのアザラシは」
見ればヒョウアザラシもお口を大きく開けて歯を見せています、ですがその歯はどうなっているかといいますと。
綺麗なものです、虫歯は一本もありません。チープサイドの夫婦がそのヒョウアザラシの歯を見て言いました。
「虫歯はないよね」
「うん、一本もね」
「お菓子を投げ込まれてないからだね」
「それで食べてないから」
「だからなんだ」
「歯が綺麗なんだ」
「そうだろうね、これだけ厳重だとね」
厚いガラスで天井まで完全にガードされているからです。
「お菓子も投げ与えられないから」
「こうしてなんだ」
「このアザラシさんは歯が大丈夫なのね」
「鋭い歯が一本も欠けていなくて」
「虫歯もないのね」
「そういうことだね、やっぱり皆の虫歯はね」
その原因はわかっているのでした。
「お菓子のせいだね」
「お菓子って歯によくないからのう」
老馬も言うのでした。
「だからこのアザラシさんは歯が大丈夫なのじゃな」
「そういうことだよ」
「しかし、本当に鋭い歯じゃ」
老馬もヒョウアザラシの大きなお口とその中に生え揃っている歯を見ています、それで皆に言うのでした。
「こんなもので噛まれたら一大事じゃ」
「馬さんでもだよね」
「うむ、大怪我じゃ」
老馬はジップにも答えました。
「傷口がえぐられていそうじゃ」
「僕だったら死ぬかもね」
ジップは自分の大きさからこう考えるのでした。
「それこそ」
「けれどこうしたアザラシもいてね」
「アザラシも色々だってわかったよ」
オシツオサレツもヒョウアザラシを見て言います。
「怖い、凶暴なアザラシもいるんだ」
「猛獣そのもののアザラシも」
「そうしてなんだ」
「油断したら襲われるんだ」
「南極にいる時はね」
そうなるというのです。
「そういえば南極は僕達はまだ」
「行ってないよね」
「あそこには」
「うん、南極はまた特別だから」
そうした場所だからだというのです。
「行くことが難しいんだよ」
「ああ、そうなんだ」
王子は南極へ行くことが難しいと聞いてでした、それで目を瞬かせてそのうえで先生に対して尋ねました。
「南極って普通には行けないんだ」
「あそこはどの国の領土でもないしね」
「イギリスや日本も領土にしていないってことだね」
「そうだよ、あの場所はね」
「誰のものでもない」
「調査の人達がいるけ
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