第六幕その一
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第六幕 水族館の動物達
先生は皆と一緒に水族館に来ました、するとです。
ジップは大きな、しかもかなり怖いお顔で尚且つ身体に斑点模様があるアザラシを見てです、先生に警戒しつつ尋ねました。
「先生、このアザラシって」
「うん、ヒョウアザラシだよ」
先生はそのアザラシの種類を答えました。
「南極にいるアザラシだよ」
「何か他のアザラシと違うね」
「このアザラシは特別なんだ」
「特別?」
「他のアザラシやペンギンを襲うアザラシだよ」
「えっ、他のアザラシも!?」
ジップは先生からそのことを聞いてびっくりしました。
「襲うんだ」
「そしてペンギンもね」
「そんな怖いアザラシいたんだ」
ジップは驚きながら言うのでした。
「シロクマさんみたいだね、それはまた」
「そうだね、南極にはシロクマはいないけれどね」
「このアザラシがいるんだ」
「本当に豹みたいなね」
それこそ、というのです。
「怖いアザラシだよ」
「まさに猛獣なんだ」
「だから他のアザラシとは違うよ」
それこそ、というのです。
そしてです、先生は皆にこうも言うのでした。
「ほら、ヒョウアザラシのコーナーはかなり厳重だね」
「あっ、そういえば」
「外に絶対に出られない様にっていうか」
「水槽のケースがかなり厚くて」
「係員の人も」
今コーナーの中に入って餌をあげている係員の人もです。
オキアミやお魚を安全な場所からあげています、皆そのことも見て言うのでした。
「何か普段と違うっていうか」
「シロクマさんに対するみたいで」
「かなり安全に気を使っていて」
「本当に猛獣に対するみたいな」
「そんなのよね」
「噛まれたら大変なんだ」
「歯が鋭いよね」
先生はヒョウアザラシのそのことを指摘しました。
「あれで噛まれたらね」
「確かにね」
「大変だよ」
「私なんかそれこそね」
ダブダブはヒョウアザラシを見つつ言うのでした。
「一噛みで終わりよ」
「僕もだよ」
ガブガブは怖がっています、それはそのままライオンや虎を見る時と同じです。まさに猛獣を見る時の目です。
「こんなアザラシに襲われたらね」
「それこそね」
「終わりよね」
「こんなアザラシもいるなんて」
また言うガブガブでした、ダブダブに応えながら。
「今まで知らなかったよ」
「シロクマさんがいないからね」
それで、とです。ホワイティが言うことはというと。
「南極は安心出来ると思ったけれど」
「自然の世界はそうはいかないんだ」
先生はこのこともわかっているのです、自然の世界のことも。
「こうしたね」
「大型の肉食動物がいるんだね」
「そうだよ、日本でも狼がいたし」
ニホンオオカミです。
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