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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-12 妖精の世界へ
Story12-1 仮想世界、再び
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三人のサラマンダーと対峙していた。
滞空制限のせいでもう飛べず、向こうは戦闘態勢をとっていた。
その時だった。
後ろの灌木がガサガサ揺れ、黒い人影が飛び出てきた。
それはサラマンダーのすぐ横をすり抜け、空中でぐるぐると錐揉みしたあと、派手な音を立てて草の中に墜落した。
予想外のことに、リーファとサラマンダーたちが呆気に取られて1人の乱入者を凝視する。
「うう、いてて……着陸がミソだなこれは…………」
緊張感のない声とともに立ち上がったのは…………キリトだった。
「何してるの!早く逃げて!!」
だがキリトは動じない。右手をポケットに突っ込むと、リーファと上空のサラマンダーたちをぐるりと見渡し、声を発した。
「重戦士三人で女の子一人を襲うのはちょっとカッコよくないなぁ」
「なんだとテメェ!! たった一人でノコノコ出てきやがって馬鹿じゃねぇのか。望みどおりついでに狩ってやるよ!」
キリトの前方に陣取ったサラマンダーが、音高くバイザーを降ろし、突進を開始した。
しかし…………
ランスが体を貫こうとした瞬間、キリトは右手をポケットに突っ込んだまま、無造作に左手を伸ばし威力を孕んだランスの先端をがっしと掴んだ。
キリトはサラマンダーの勢いを利用して腕をぶん回し、掴んだランスごと背後の空間に放り投げた。
「わあああああ…………」
情けない悲鳴を上げながら飛んでいったサラマンダーが、待機していた仲間に衝突し、両者は絡まったまま地面に落下する。大きな金属音が重なって響いた。
一方、キリトはくるりと振り返ると、背中の剣に手をかけ、そのままピタリと動きを止める。
「あの人たち、斬ってもいいのかな?」
「少なくとも先方はそのつもりだと思うけど…………」
「じゃあ遠慮なく…………」
キリトは右手で背から初期武器の剣を抜くと、だらりと地面に垂らした。
すっと重心を前に移しながら左足を一歩前にした瞬間、衝撃音と共にその姿が掻き消えた。
数秒後、剣を真正面に振り切ったキリトが、遥か離れた場所に低い姿勢で停止した。
すると、2人のサラマンダーの内、立ち上がりかけていた方の体が赤いエンドフレイムに包まれ、その直後に四散する。小さな残り火が漂っていた。
リーファと空中のサラマンダーが唖然と身守る中、キリトはのそっと立ち上がり、再び剣を構えつつ振り向いた。
突進をいなされたもう1人のサラマンダーは、まだ何が起こったのか理解していないようで、見当違いな方向をきょろきょろ見渡している。
そのサラマンダーに向かって、キリトは容赦なく再びアタックする素振りを見せた。
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