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Bistro sin〜秘密の食堂へいらっしゃいませ〜
食堂の食卓.2

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.2
 22時、閉店したビストロに食卓の時間が訪れる。
各々の従業員が0時までの時間を憩うのだ。

 今日の賄いは、平泉が作ったものだ。
閉店時間が来ると、一息ついた従業員のためにテーブルに料理が並べられる。
今日のメニューはドリア、ポテトサラダ、鮭のムニエル。
賢太郎は目の前の温かい料理に釘付けになっている。
それぞれ、従業員の紹介を終えたところで六郎の腹が鳴った。
「フフ、六郎くんのお腹は正直者ですね。さぁ食べてください。」
平泉がニコリと笑いながら言うと、みんな口々に「いただきます」と言って食事を始めた。

 賢太郎はペロリと完食してしまった。
刑務所で食べた料理とは、比べ物にもならない温かい料理だ。

すると六郎が、賢太郎の空の皿を見て言った。
「賢太郎は食うのが早いな〜!そんなに腹減ってたのか!?ガッツかないで、ゆっくりじっくり食べた方が、料理は美味いんだぜ」
六郎が笑いながら言うと、東が
「確かに!それはお前の腹の虫も言ってたな。」
と言った。
食卓は、笑いで溢れている。
ああ、温かい。
賢太郎はそう思った。
「平泉さんの料理、とっても美味しかったです!温かくて、なんだか懐かしいような。さすがシェフと言うか、やっぱり料理が上手なんですね。」
賢太郎がそう言うと、平泉はニコりと笑って言った。
「私の料理なんて、大したことはないですよ。でも、お口にあったようで何よりです。…良かった。」
平泉の表情には、少しいつもより物寂しそうな雰囲気があった。
東がそれを見て言った。
「賢太郎!賄いは交代制で作ってる。今日は定休日の前日で空いてるからシェフが作ったけど、その内お前も作るんだ。他人事じゃないからな。」
賢太郎は驚いた。
賄いを作ることもそうだが、今日の8組のお客さんでも、かなり平泉は休む間もなく動いていた。
自分に出来るのだろうか?
と少し不安すらよぎった。
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