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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第18話 「闖入者」
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ラックを実行中だ。遮断シールドを解除できれば、すぐに部隊を突入させる。」

何もかもが後手に回っている。状況の悪さに零は溜め息を吐いた。学園生徒のシステムクラック程度では、束さんのハッキングプログラムの解除には相当の時間を要するだろう。

「・・・駄目だ。それじゃ遅すぎる。」

零の呟きに管制室にいる全員が彼を見つめる。その視線を意に介さず、零は静かに真耶に近寄る。

「山田先生、そこ退いてください。」
「え?か、神裂くん?何を・・・」
「退けと言った。システムの奪還は俺がやる。」
「え、あの・・・。きゃっ!」

そう言うと、零は返事も聞かずに真耶を椅子から引っ剥がした。思わずよろめく真耶を無視して、零はキーボードを叩き出す。千冬以外は誰も認識できないほどの目にも止まらぬ速さだった。

「織斑先生、システムクラックを中止させてください。ノイズにしかなりません。」

唯一、この状況についていけている千冬に零が言う。千冬は黙って指示に従った。視線をキーボードと表示されては消える複数のディスプレイに固定したまま、さらに零が口を開く。

「セシリア。」
「は、はい!何ですの?」
「何時でも出撃できる準備をしておけ。5分以内にロックを解除する。」
「・・・了解しましたわ!お任せください!」

生徒の避難経路の確保より、一夏への救援に行くためのルートを作ることを優先する。彼の任務はあくまで一夏と箒の護衛。学園中のどの生徒よりその二人のことを考える。

「零!私にも何かできることは・・・」
「ない。お前は避難経路の確保と同時に誘導に従って脱出しろ。」

箒の申し出を一蹴する零。専用機を持たず、IS操縦に慣れてすらいない彼女を戦闘に参加させるわけにはいかない。箒は悔しそうな表情を浮かべるが、黙って引き下がる。

(好き勝手やって良いとは言ったが、これは許容できない。全力で抗わせてもらいますよ、束さん。)

その時、気づいた者はいたのだろうか?箒が静かにこの部屋を出ていったことに・・・。



「じゃあ、アンタの策ってやつにのってあげるわよ。成功させなさいよね。」

零が管制室で静かな奮闘を繰り広げる一方、一夏と鈴は異形の敵と対峙していた。苦戦を強いられているその状況を前にして、2人は不敵な笑みを浮かべていた。

(しっかし、スゴい発想が出てくるものよね。普通ならそんなこと考えないと思うんだけど。)

戦闘の中で一夏が感じた疑問と違和感。それは、鈴のISというものへの根本的な理解を揺さぶるものだった。

"あれって、本当に人が乗ってるのか?"

ISは人が操縦しないと動かない。それは世界の常識だ。しかし、人間とは程遠いフォルムが、どことなく機械じみた挙動が、戦闘中に一夏と鈴の会話に
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