第17話〜破滅の王〜
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インは、想定外の事態に戸惑っているが、同時に快くも感じていた。
(これが・・・頼るってことか)
「・・・分かった。その代わり、君たちは俺が全力で守る。もしあいつらが仲間に危害を加えようものなら俺の異名に相応しい末路を見せてやるよ」
「ケインのは冗談に聞こえないんだが・・・」
「あはは。でも、それでこそケインだよね」
声のトーンを落としながら片手で握りこぶしを作り、真顔でそう宣言するケインは何でもやりかねない黒いオーラを背後から彷彿とさせている。
「まったく。手間のかかるやつだな、君は」
「フッ、貴様がそれを言うのか?」
「な、なんだと!?・・・ユーシス・アルバレア!君はいつもいつも・・・」
微笑を浮かべて自身の友人へ声をかけるマキアスに、ユーシスの一声。貴族嫌悪が激しかった副委員長も実習で手間をかけていたことがブーメランとなって突き刺さったのか、揚げ足を取るユーシスをなにやら非難する声が聞こえる。ガイウスはそのやり取りを温かい目で見守っており、リィンやエマ、エリオットはやんわり止めに入っているようだ。そりが合わないメンバーもいるが、Z組の心は早くも一つに纏まりつつあるのかもしれない。
(それには、もう一押し必要そうだけど。何とかしたいよな・・・)
先月の実習以来、ぎこちない関係が続くラウラとフィーの方にちらりと目を向けてから、ケインは考え込む素振りをする。自身の力を、仲間を守るためにも使う決意をしつつ、彼女たちの力になってやりたいと強く思うのだった。
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