第17話〜破滅の王〜
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対面ではないようで、過去に因縁でもありそうだ。しかし、あからさまにそんな視線を向けないでやってほしいと思ったケインが教官に話しかけるも全然違う答え&謎の要求が返答された。
「・・・さて、気を取り直して新たな仲間、シャロンさんに乾杯!」
ケインの音頭に一同の声が続く。
「あれ、俺の一言は・・・」
「あっ、すまない」
話を振られたリィンは、一応言わんとすることを考えていたのだろう。ケインは彼に対して少々申し訳なさを感じながらも、シャロンとともにキッチンへ向かった。
「おお・・・」
「うん、美味しそうだな」
長方形のテーブルに運ばれてくるデミグラスライスに感嘆の声を上げ始める他のメンバーズ。
「ケイン様特製です♪名づけて、<<ケイン式アルティットデミグラス>>ですわ」
「か、勝手に名前を付けるなよ・・・」
ケインとしては、自身が食べて美味いと思っていたあるハヤシライスを改良しただけであって試作もいいところなのだが、食べられる前からシャロンによって命名されたケイン式(以下略)を複雑な心境で眺めていた。
「みんな。今日は急だったけど、集まってくれてありがとうな」
ケインの料理と付け合せに作られたシャロンのサラダなどに舌鼓を打ち、一服したところで夕飯のコックであったケインが話を切り出した。ちなみに食事中、彼のアレンジであったスマイルを描くようにチーズを乗せたハンバーグが特に女性人から可愛いとの声が上がり、あのユーシスさえも「ハモンドオーナーに引けをとらないだろう」と賞賛してくれた。アレスに至ってはどこから取り出したのか少々大きめのメモ帳片手にレシピを訊いてきた。だから、彼のポーカーフェイスが一同から少し綻んで見えるのは錯覚ではないのだろう。
そういった自覚があったのか、ケインは表情を険しくしてこれから真剣な話をするという意思表示をする。
「集まってもらったのは・・・俺の過去を話すためなんだけど、その、付き合ってくれるかな?」
彼の意思を感じ取ってくれたのか、一同は強く頷く。
「ケイン・・・」
「平気ですよ、サラ教官。自分で決めたことですからね」
彼の背景を知る数少ない人物の一人であるサラが、ケインを案じて口を挟む。
それに対してケインはそんな彼女を穏やかな口調で安心させた。
「・・・もう気づいている人もいるだろうけど、俺は少し前まで鉄道憲兵隊にいた」
鉄道憲兵隊。帝国正規軍の最精鋭部隊であり、動力演算器も顔負けの頭脳を持つ、氷の乙女(アイスメイデン)ことクレア・リーヴェルト大尉が率いており、革新派の中核を担う軍隊の1つであるため、貴族派からは警戒されている。説明の必要は無さそうだったが、彼の一言で考え込む素振りを見せたマキアスがケインの方を向きなが
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